東京都税理士法人恒輝 榎本税務会計事務所 榎本恵一 様
安売りはしない。"特定多数"をターゲットに新規拡大年間50件

のでたいへん有効です」と語る榎本税理士。
「会計事務所の経営は考え方とやり方次第でもっとよくなると思います」と語るのはグループ会社(株)イーシーセンターの代表取締役で税理士の榎本恵一氏だ。
「昨年11月末に2Fから3Fに事務所を移転しました。これは駅前経営塾のスタートを見据えてのことです。税理士はプチコンサルだと考えています。一つひとつの課題を解決しないと前に進めません。しかし、その課題解決をすべて税理士が行なうわけではありません。さまざまな士業の方、コンサルタント、社外ブレーンと協同して経営支援を実現させたいと考えています。また、経済アナリストの藤原直哉氏の意思を踏まえ若手会計人15人とLLP藤原KAIZEN研究会を発足したのも同様の理由からです」
駅前経営塾は2006年2月からスタートし、順調に開催を重ねている。
決算診断提案書で高品質のサービスを提供
関与先企業の経営支援にさまざまなアプローチを試みている榎本氏が自社の経営方針書で自信を持ってサービスの提供を謳っているのが決算診断提案書だ。
「事務所経営の見地から考えると新規拡大について、これまでと今後は大きく変わってきています。これまでの会計事務所経営はとにかく関与先件数を増やせばいいという考えから不特定多数を相手にしてきた経緯があります。しかし、広告の解禁、報 酬規定の撤廃、税理士法人の創設による大型事務所の出現、そして低価格を売り物にする記帳代行会社の台頭など会計事務所をめぐる経営環境の変化は急速に押し寄せてきています。
われわれの会社はこうした価格競争にくみするつもりはありません。品質の高い経営サポートサービスを提供する当社の経営方針を理解していただける"特定多数"のお客様に高品質サービスを提供することで顧問先の満足は確実に得られます。この方針の一翼を担っているのが『決算診断提案書』です」
新会社法は決算診断を提案するビッグチャンス
「中小企業の経営者はとても忙しい。だから決算を作るのは会計事務所で、経営者はそれを見るだけというケースが多いのが現実です。しかし、今後、新会社法の施行によりこれまでの株主=経営者という図式が必ずしも当てはまらなくなることも予想 されます。
この時、経営者が決算の内容を知らないというのはリスクが大きいといわざるを得ません。
これまでは会計事務所が経営者に分かってもらうための決算診断だったのですが、これからは経営者自身が株主に説明するための決算診断という側面も無視できないのではないでしょうか」
新会社法の施行によって、決算診断提案書の意味がより重要性を増すことになるというのが榎本氏の考えだ。
当然、決算診断提案書のニーズも高まると考えている。「最近、利益計画の策定支援が会計事務所の新サービスとして注目され ています。しかし、利益計画を作る前にまず決算の中身を理解しなければいけません。
決算書をしっかり分析、理解してからでないと、その先の課題の解決はありえません。決算書を理解するという点において視覚に訴える社長の四季の決算診断はとても分かりやすいです」
榎本氏は決算診断提案書の有効性を次のように語る。「当社では以前からワンストップサービスを実践して来ましたが今年は ワンランク上のそれを目指しています。
それには経営者の方にもっと気づきを与えられるようにわれわれから働きかけなければいけないと考えています。
以前、関与先で老舗のお客様の『Ⅴ字回復』が雑誌の取材で取り上げられたことがあります。この老舗は5年間の数字を公開してくれました。当期に黒字転換していることが一目瞭然です。
なぜ、黒字になったのか。決算診断により生産性に課題があることが分かったのです。こうした気づきが得られるのが『決算診断提案書』の最大のメリットなのです」

榎本氏は今後の会計事務所経営について、経営者の声をヒアリングしながら次のように考えている。「駅前経営塾を始めて分かったことがあります。経営者は会計事務所に顧問料の安さは求めていません。それよりきちんとした経営サポート(経営コーチ)をしてくれること、そしてセミナー(勉強会)を開催してくれること、この2点を求めています。
企業経営においてきちんとやろうという経営者が増えているのです。にもかかわらず会計事務所サイドは顧問料値下げの情報があると、顧問料を安くしなければいけないと過敏に反応しているのだと思います。こうした状況が日常的だからこそ会計事務所をめぐる問題は大きいといわざるを得ません。
当社はあくまでも高品質のサービスを提供することで高い水準の顧問料を維持していきます。そして、新規拡大も順調に推移していることはこの方針に間違いないことの証だと考えています」