成長性
会社の成長を計るには、売上高の増加率、各利益の増加率、自己資本の増加率、それぞれ増加の度合いを見ます。それぞれが増加していれば、成長性は高いと評価されます。
売上高だけが増加していても、限界利益や営業利益が減少している会社は、どんなイメージの会社でしょうか?例えば、同業他社よりも売価を値下げして販売数量を伸ばしたと考えられるでしょう。売価の値下げが極端ですと、粗利益がとれずに限界利益額は増加しないどころか減少するケースもあるでしょう。しかし、販売数量は増えますから、人件費や販売費である広告費などは増加するケースも多いでしょう。そうすると、営業損益や経常損益が減少し赤字になる事もあります。このように売上高は増加してもそれが利益に繋がらなければ、「成長企業」とは、とても言えない会社となります。
貸借対照表でみると、総資産がたくさん増えて、自己資本が増えていない会社をイメージするとどうでしょうか。借入金などの他人資本を増やして、見かけだけ大きな会社になっていると言えるでしょう。これは会社が「成長している」とは言えず。「膨張している」と言えるでしょう。
成長性の要素は、他の5つの分析要素よりも数字が良くも悪くも大きくブレル場合があります。前年が得点の低い会社も売上や利益が前年よりも増加すれば、他の要素がすぐに改善できずにいても成長性は高得点となり平均点の押上げ効果があります。低得点の会社の社長に、得点が良くなる事で元気を与えるチャンスの期待ができるのが「成長性」です。