自己資本増加率
バランスシートを見てみましょう。左側の資産は、会社が所有する全財産。右側の負債は、他人から調達した資金の源泉で、これは、いつかは返済する必要のあるものです。同じく右側の純資産の中の自己資本は、自前の資金源泉で返却必要のないものです。いわば会社の全財産のうち、借金で形成されたもの(負債)と自己資本で形成されたもの(自己資本)がある時、なるたけ多くの財産が自己資本で行われることが望ましく経営的にも安定します。この自己資本の内容を詳細にみていくと、株主から提供された資金(資本金、資本剰余金)と企業活動の結果としての利益が蓄積されたもの(利益剰余金)に分けることができます。自己資本を増加させ、経営を安定的に発展させるためには、株主からの資金提供を増やすか、当期利益を増加させる必要があります。このうち、株主からの資金提供は、必ずしもいつでも応じてもらえるとは限らず、あてにならないものです。そのため、あてにできるのは、企業自身の自己努力として、利益の貯蓄を通して自己資本を増加させるしかありません。その意味で、自己資本の中心となるのが、企業利益であり、この創業から現在までの利益貯蓄の増加率は、企業成長のバロメーターとなっていきます。