当座比率
流動比率は、債務返済の期間を1年(又は、通常営業循環期間)という枠で考えて債務返済能力の有無を考えるものです。しかし、同じく債務返済するといっても、1年以内か、それ以外かの区分では、余りにも大雑把すぎるといえるでしょう。実際問題としては、債務の代表である買掛金や支払手形を考えても、通常〆後1ヶ月以内の支払や、支払手形の決済期間も2~3ヶ月と、多くは、2~3ヶ月以内の支払が殆どです。それを1本でくくってしまうのでは、「債務返済は、待ったなし」なので非常に危険といえます。そこで、1年以内に返済する必要のある債務(流動負債)に対し、準備すべき資産は、確実に短期間で資金化できる資産に限らないと、健全経営ということにならないのではないか、ということが問題になります。
そこで、流動比率をもう一歩進めて、より確実な資産として当座資産を考え、当座資産と流動負債のバランスを考えたものとして、当座比率というものが考えられました。それでは当座資産とは何か。具体的に2~3ヶ月で現金化できると考えられるものとして、1) 現金預金 2) 受取手形 3)売掛金 4) 有価証券(一時所有で市場性のあるもの-何時でも換金可能な有価証券)を当座資産と考えています。この当座比率の方が、支払期間をもっとシビアに考えていくことができます。予想される返済に対しては、確実にあてにできる換金可能な資産が充当されるべきであり、これこそが健全経営にとって、より重要な指標となるのです。