借入金安全率
借金は、誰にとっても気の重い存在です。しかし、儲けのチャンスがあれば、お金がないからといってあきらめるのも問題です。せっかくのビジネスチャンスを逸してしまいます。「好機逸すべからず」です。「お金がないのであきらめた」という話はよく聞きます。その意味で、お金を何時でも用意できるということは、経営の強みです。この「用意できる」とは、お金を持っているだけでなく、借入によって調達できるという2つのことを意味しています。「借金も能力のうち」というのもそれです。しかし、借金は、必ず返済しなければならず、儲かるといっても、この世に確実なものは、そう多くはありません。その意味では、借金はこわいものといえます。
そこで、適度な借金は、企業活動の潤滑油となるけれども、度を超えると企業活動の足かせになるのです。この「適度」を考える尺度が借入金安全率です。手持ちの財産(貸借対照表の総資本)は、いくらあるか、そのような財産の中で、借入金によって調達されたものはどれ位であるのか。借入金の適量は、どの程度であるのか。これを自己資本との対比で考えたものが借入金安全率です。余りにも多くの財産が借入金で賄われているとすると借金まみれの会社となり、経営の安定性が欠けていくことになり、銀行に左右される会社となってしまいます。会社が返済不要の自己資本を出来るだけ沢山持つことが重要なのはいうまでもありませんが、借入金についても自己資本の範囲内であれば、それによって、銀行に左右される会社か否かの心配は不要となります。