1人当たり限界利益
限界利益(付加価値)については、すでに収益性の分析で明らかにしたものですので繰り返しませんが、限界利益は、企業が外部から購入したものに対して新たに生み出した企業成果ですので、その重要性は、いうまでもありません。しかし、限界利益を絶対額でみるだけでは、必ずしも企業の良し悪しを判定できません。同じ限界利益を生み出した場合でも沢山の人数で、それを成し遂げたのか。少人数で成し遂げたのかで、経営効率は違ってきます。特に、日本経済がこれから少子高齢化していくと、絶対的な規模を追及するだけでなく、1人当たりの効率を目指す必要があるのと同じく、企業経営でもこの1人当たりの効率化が重要です。この数字によって、社員一人一人が、稼ぎ出す力が明らかになります。物品販売業の場合、1人当たりの限界利益は、1人当たりの売上総利益(粗利益)に相当することになります。1人当たりの限界利益が判明すると、その限界利益に対して、どれだけの報酬(給与)で、その人間に報いるかという労働分配率の問題が登場してきます。