限界利益率
限界利益(付加価値)って何でしょう。余り聞きなれない言葉ですね。経営分析の中心は、財産(貸借対照表)か利益(損益計算書)を中心に、その組合せばかりでしたので、付加価値という言葉は、少し異質かも知れません。決算書から直接出てくるものではありません。少し説明が要りますが、企業活動を財産や利益という視点とは別に、仕入先や外注先から購入したものにプラスアルファ(付加価値)を付け加えて、それを企業(取引先、お客様などの利害関係者)に分配(販売)する仕組みととらえることができます。すなわち、企業活動は、商品や原料といったものを外部から購入して、自社の労働力や技術力といった企業内の資源を投入して生産活動を行い、それによってプラスアルファとしての付加価値をつけて外部に販売する。そして、その付加価値活動の成果を従業員へは、給料、賞与という形で、資金提供者には、銀行への利息、株主への配当、国や地方公共団体に対しては、租税といった形で、分配を行います。
この点からみて、企業が新たに生み出した価値としての付加価値こそ重要であり、収益力の基礎に、この付加価値力があります。限界利益率は、この限界利益(付加価値)が売上高に対してどれ位あるか。販売活動との関連で、どれ位の付加価値をあげられたかを明らかにするものであり、これによって、企業の分配可能力が明らかになります。1回の経済活動の水準を国際比較するときに利用されるのに、GDP(国内総生産)やGNP(国民総生産)というのがありますが、それらも国家レベルでのマクロの限界利益を表します。