数字は語る「5億円以上」
資本主義社会は、基本的に競争社会。競争には、必ず勝者と敗者がいる。勝ったり負け
たりのくり返しなら良いが、ある人が勝ち続けるとどうなるか。格差の発生である。競争
社会は、格差をもたらし、これが不平等の原因となる。政府による所得再分配政策は、勝
者から多額の税金を取り(累進課税による高額な税金徴収)、それを敗者、弱者に分配(補
助金、給付金)して公平を図るというのが現代社会における基本スタンスとなっている。
しかし、あまりにも強い者をいじめすぎると活力のない社会になってしまうので、ほどほ
どの所で、落ち着かそうとしている。日本では、総合課税の所得税の最高税率 45%と住
民税の10%を加えた55%でストップしている。この段階でも勝者と敗者の広がりはあり、
特に分離課税は更に低税率となっているので、格差を生じやすい。
そんなこともあって、今、超富裕層と呼ばれる人々が誕生している。野村総合研究所は、
負債(借金)を差し引いた純金融資産が5億円以上保有する世帯を超富裕層と定義する。
この層が現在の株式市場の活況で更に富を増大しており、超富裕層ビジネスが拡大してい
る。高度成長期は、1億総中流となり、ボリュームいっぱいの中間層が多くいた。そのた
め、この中間層を取り込もうとするビジネスが活況を呈していた。しかし、累進税率の低
下と共に中間層の総中流組が二極化して多くは下層に移り、一部が富裕層、超富裕層とな
っている。この層は、その富を更に拡大しようとしたり、その富を失わないようにするた
めに、様々な対策をとっており、いろいろなニーズを持っている。そのため、融資、事業
承継、財務対策、相続対策、慈善活動、不動産対策、株式対策・・・。この層を取り込む
ため、銀行、證券、保険、コンサルタント、百貨店等が熱心に力を入れている。日本では
長い間1億総中流と言われた時代が続いていたが、これはもはや過去のこと。当時は、比
較的平等社会として、大金持ちといわれる超富裕層には注目されていなかったが、ここに
来て格差の拡大として、この超富裕層をいかに取り込むかという問題は大きなターゲット
となりそうだ。