2026/08/27世間の学校
話題の企業「フジクラ」
日本の業界の序列というものは、なかなか変わらないものが多い。これは、経済基盤や、
経営基盤というものがそう簡単に変化することが少ないためと思われる。しかし、何かを
きっかけとして経済基盤や経営基盤に劇的に変化することもある。それが画期的なヒット
商品による場合や、技術革新によって従来とは全く異なる時代に突入したりする時に起こ
る。
ビール業界では、ガリバーと言われたキリンが、アサヒのスーパードライのヒットで逆
転した事は記憶に新しい。自動車業界でもトヨタ、ニッサンと言われた時代もあったが、
ニッサンの長期低迷からハイブリッド全盛時代は、トヨタ一強時代に入っている。しかし、
そのトヨタでさえ、新しいEVの時代にどうなるか不透明感が漂う。電線業界は通信、通
電のインフラとして戦後日本の経済成長を牽引してきた。その序列も圧倒的シェア、技術
力を持つ住友電工をトップとしてナンバーツーが古河電工、そして、三番手が今回取り上
げるフジクラ(旧藤倉電線)だ。万年3位のフジクラが今や注目の的となっており、企業
価値測定の1つの指標としての株式時価総額が初の10兆円超となった(R8.4.13の終値
ベース)。電線各社は米国での人工知能(AI)、データセンター向けに光ファイバー関連製
品の引き合いが強いが、大容量データを高速でやり取りするフジクラの光ファイバーケー
ブルは、AI、データセンター用途の需要が急増しており、企業業績も絶好調。GAFAM(グ
ーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)が欲しがる「クモノ巣」
ファイバーは脅威の粗利益をもたらす。得意分野を絞り込み一点突破に勝算ありの典型例
がフジクラかもしれない。
AI、IT の進化と共にチャットGPTやオープンAIにおいて、何よりもデータの蓄積が勝
敗を決める。このデータを制するものが企業を制する時代、データ関連企業はますます重
要性を増すが、より早く、より大量のデータ処理や保存に強い企業が有力視されるが、フ
ジクラは、まさにそのような会社だ。日本にこんなすごい会社があることを忘れてはなら
ない。目立つ企業ばかりでなく、それらの企業を支えている縁の下の力持ちは、日本企業
に多くあるようだ。