2026/08/27世間の学校
人を読む「永守重信」-稲盛和夫になれなかった経営者-
多くの人々が会社を興す(起業)が殆どの人が起業に失敗する。それ程、起業は難しい
ので、成功した経営者は神様のように尊敬される。パナソニックの松下幸之助、ソニーの
井深大、盛田昭夫、ホンダの本田宗一郎・・・。この後に続くのが京セラの稲盛和夫とニ
デックの永守重信。そして、現代ではユニクロの柳井正、ソフトバンクの孫正義といった
ところか。しかし、この2人の経営者はその晩節において大きな違いが生じてしまった。
その違いは、どこにあるのだろうか。
ニデック(旧日本電産)は、何かと京セラと比較されることが多い。ニデック創業者の
永守重信も京セラ創業者の稲森和夫と何かと比較される。両者は同じ京都出身企業で立志
伝中の経営者として共通している。稲盛和夫は、旧制中学の受験に失敗し、鹿児島大学に
行く。卒業後も希望した会社に入社できず、脱サラから京セラを創業した。一方、永守重
信は中学時代に父親を亡くし、苦学して職業訓練大学校を卒業後、無名の会社に就職した
後、起業した。ともに劣等感をもって起業して一代で巨大企業を作り上げた点は同じだが、
晩節は違ってしまった。
ニデックは今、粉飾決算と品質不正で上場廃止の瀬戸際に立っている。会社を大きくす
る過程では、どんな会社でも多少の無理は生じるもの。ブラック企業的な要素が生じるの
は仕方のないことかもしれない。しかし、それが粉飾決算(会計不正)や品質不正となる
と話は違う。そこには、企業風土というものがある。どんな組織でも不正は許さない。と
いう企業風土を持っているのか、それとも不正に対して成績向上のためなら、目をつぶっ
てしまう企業風土なのか。この違いは人間を信じるか信じないか。誤りを認める風土なの
か、絶対に失敗を認めない会社なのかという点にあるようだ。組織における風通しの良さ
が最後には経営を左右するのかもしれない。目標達成は必須。失敗は許されないという企
業風土において、失敗を隠し、不正に蓋をする会社になりやすい。人を信じないという永
守はニデックを「永守商店」のまま規模だけを大きくしたのかもしれない。大きな会社を
作りたい気持ちはわかるが、その前に社会から信頼される良い会社でなければならないこ
とは、忘れないで欲しい。企業風土、経営風土の醸成こそ、経営者の使命といえる。