会計事務所/税理士のための決算診断システム「社長の四季」

株式会社プロス/社長の四季

決算診断コラム

会計事務所経営・企業経営のお役立ちコラム

世間の学校
数字は語る「20兆円クラブ」

 日本に銀行の数が多いことは、よく知られている。農協や漁協を始めとして信用組合、
信用金庫、第一地銀、第二地銀、信託銀行、郵便局、都市銀行、メガバンクと非常に沢山
の銀行がある。確かに銀行は金融の中心であり、金融は経済の血液であり、銀行の存在は
不可欠だ。問題は日本にどれ位の銀行が必要なのか。特に人口減少する日本、とりわけ地
方の衰退は著しい。

 そんな中で、どれ位の銀行の数が適正なのか。多すぎる銀行はどうやって整理していく
のか。今、その状況を踏まえて、地方銀行の経営統合が進んでいる。しずおかフィナンシ
ャルグループ(FG)と名古屋銀行の経営統合、千葉銀行と千葉興業銀行、第四北越FGと
群馬銀行・・・。地方銀行の再編が加速度的な勢いで続いている。もちろん多すぎる銀行
は、店舗の統廃合も進んでおり、定番だった駅前立地は銀行店舗という状況は様変わりし
ている。

 しかし、問題はそれだけなのか。これらの経営統合には1つの共通点があると言われて
いる。いずれの場合も経営統合をした後の銀行の経営規模である。銀行の経営規模を考え
る際の重要な視点が総資産といわれているが、これらの銀行の経営統合後の総資産が概ね
20 兆円を超えている点、つまり、経営統合の再編の結果、20兆円の総資産規模になるこ
とで「メガ地銀」の誕生というわけだ。

 銀行業における貸付を考えた場合、1,000万円を貸そうが1億円を貸そうがその手間は
殆ど変わらない。もちろん不良債権発生のダメージの大きさから審査は入念に行われるが、
それらは、要注意の貸出先だけの話。そして、IT化、AI化でデジタル投資は加速するば
かり。とすると、経営効率のためには、どうしても一定の規模が欠かせない。20兆円は、
人口減で地方の金融市場が縮小する中で、安定して収益を稼げる防衛ラインなのかもしれ
ない。

 とすると、必ずしも同一の都道府県内といった地域限定でなく、都道府県を超えた越境
の経営統合も始まるかもしれない。地方銀行は、地域経済を支える基幹部門であり、地方
の企業経営にとって不可欠の存在といえる。中小企業経営にとっても銀行との付き合いは
大切であり、銀行関係は上手に行っておく必要がある。金融のこの新しい変化を意識して
経営をしていかねばならない時代になったようだ。

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取締役会長
浅沼邦夫