2026/07/16世間の学校
数字は語る「20兆円クラブ」
日本に銀行の数が多いことは、よく知られている。農協や漁協を始めとして信用組合、
信用金庫、第一地銀、第二地銀、信託銀行、郵便局、都市銀行、メガバンクと非常に沢山
の銀行がある。確かに銀行は金融の中心であり、金融は経済の血液であり、銀行の存在は
不可欠だ。問題は日本にどれ位の銀行が必要なのか。特に人口減少する日本、とりわけ地
方の衰退は著しい。
そんな中で、どれ位の銀行の数が適正なのか。多すぎる銀行はどうやって整理していく
のか。今、その状況を踏まえて、地方銀行の経営統合が進んでいる。しずおかフィナンシ
ャルグループ(FG)と名古屋銀行の経営統合、千葉銀行と千葉興業銀行、第四北越FGと
群馬銀行・・・。地方銀行の再編が加速度的な勢いで続いている。もちろん多すぎる銀行
は、店舗の統廃合も進んでおり、定番だった駅前立地は銀行店舗という状況は様変わりし
ている。
しかし、問題はそれだけなのか。これらの経営統合には1つの共通点があると言われて
いる。いずれの場合も経営統合をした後の銀行の経営規模である。銀行の経営規模を考え
る際の重要な視点が総資産といわれているが、これらの銀行の経営統合後の総資産が概ね
20 兆円を超えている点、つまり、経営統合の再編の結果、20兆円の総資産規模になるこ
とで「メガ地銀」の誕生というわけだ。
銀行業における貸付を考えた場合、1,000万円を貸そうが1億円を貸そうがその手間は
殆ど変わらない。もちろん不良債権発生のダメージの大きさから審査は入念に行われるが、
それらは、要注意の貸出先だけの話。そして、IT化、AI化でデジタル投資は加速するば
かり。とすると、経営効率のためには、どうしても一定の規模が欠かせない。20兆円は、
人口減で地方の金融市場が縮小する中で、安定して収益を稼げる防衛ラインなのかもしれ
ない。
とすると、必ずしも同一の都道府県内といった地域限定でなく、都道府県を超えた越境
の経営統合も始まるかもしれない。地方銀行は、地域経済を支える基幹部門であり、地方
の企業経営にとって不可欠の存在といえる。中小企業経営にとっても銀行との付き合いは
大切であり、銀行関係は上手に行っておく必要がある。金融のこの新しい変化を意識して
経営をしていかねばならない時代になったようだ。