2026/06/05世間の学校
言葉は語る「出社回帰」
仕事はどこでやるものか。自宅とは別に仕事場という場所があって、そこに行って仕事
をするのが当たり前と考えられていた時代があった。仕事場に行くとは、会社や工場や店
舗に行って行うものという考えが長く続いていたが、よく考えてみると必ずしも仕事は仕
事場に行かなくても出来るのではないか。職種によっては、会社に行かずに在宅でも出来
るのではないかと考えられるようになり、在宅勤務という考え方が出てきた。
これを更に促したのが2020 年から始まった新型コロナウイルス禍だ。感染症の蔓延を
防止するために、人と人との接触は避けるべきとの考えから三密(密閉、密集、密接)防
止の観点から人と人との接触をできるだけ避けるには、どうすべきか、という考えから、
在宅勤務が広がっていった。しかし、新型コロナウイルス禍の終息と共に徐々に従来型の
対面重視の出社回帰が復活しつつある。LINE ヤフー、アクセンチュア、メルカリ、カル
ビー、KDDI 等では、在宅より出社を重視するようになっている。要は生産性の問題とい
われている。人と人とが集まって喧々諤々の議論、そして、より良い考えが出るのか。集
合知のメリットがあるのか。それとも、個人個人のプレイ重視の単独知の方が生産性があ
がるのか。職種によった対応としてのハイブリッド型になるのか。模索が続いているよう
だ。
この問題のポイントは、仕事の「棚卸し」にあるのではないか。それぞれの仕事の内容
を分析して、対面の方がより良い成果をもたらすのか、在宅勤務でも十分に仕事に差し支
えないのか。一刀両断的に在宅か出社かに割り切るのではなく、仕事の性質によって区別
すべきではないのか。その意味で「仕事の棚卸し」は、ますます大切になってくるといえ
よう。しかも、この「仕事の棚卸し」は、一回やればそれで終わりというものではなく、
AI、IT の進化と共に仕事の質的変化に対応して、定期的に見直しをして仕事の在り方を
考えて行く必要がありそうだ。