会計事務所/税理士のための決算診断システム「社長の四季」

株式会社プロス/社長の四季

決算診断コラム

会計事務所経営・企業経営のお役立ちコラム

世間の学校
時流を読む「Beyond GDP -GDP を越えて」

 人は幸福を求める。幸福の条件はいろいろあるが、生活水準の向上は不可欠です。「衣
食足りて礼節を知る」ではないが、生活水準がある程度キープされなければ幸福とはいえ
ない。その生活水準向上のポイントが経済力。経済力を計る尺度のポイントは、経済成長
であり、そのためGDP(国内総生産)が重視されている。第二次世界大戦後の世界は西側
諸国のヨーロッパ、アメリカ側と東側諸国の旧ソ連邦の対立は、長く続き、いずれの制度
の方が国民を豊かに出来るのかという点では、経済競争でもあった。そして、いずれも経
済成長を廻って激しく競い合っていた。そして、GDPについては、「くたばれGDP!」とい
ったアンチGDPの不人気な時代もあった。GDP至上主義が多くの公害をばらまいていた時代
が長く続いたからである。

 今、このGDPに異変が生じている。やみくもにGDPを追い求めるだけで良いのか。GDP以
外の忘れ物はないのかと。2024年9月のニューヨークの国連本部で地球規模の課題を話し
合う未来サミットが開かれ、合意文書に明記されたのが「Beyond GDP」。確かにGDPは重
要だが、それだけではだめではないかという指摘だ。1つは経済格差の拡大であり、もう1
つが経済成長に伴う自然環境の破壊(外部不経済)であり、これらも考慮しないと持続可
能な経済社会は実現できないという危機感がある。さらにウェルビーイング(心身の健康
や幸福)も考えていかないと真に豊かな社会の実現は困難になると。まさにSDGs(持続可
能な開発目標)と似ている。経済成長が将来にわたって持続可能であるためには、GDP以
外に大切にしなければならないものが不可欠の時代になったようだ。まさにpost GDPであ
り、Beyond GDPと言われる所以だ。ここでは、旧来のアンチGDPではなく、GDPを深めつつ
それをも越えるところに意味がある。

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取締役会長
浅沼邦夫