2026/03/09世間の学校
話題の企業「TOTO」
100 年以上の歴史を誇る老舗企業といえば聞こえは良いがその歴史も面白い。瀬戸物と
言われるくらい陶器の産地として有名な愛知県瀬戸、多治見、常滑...といった陶器の名産
地が多い。その中でもノリタケ(旧:日本陶器)にあった製陶研究所の技術をもって立ち
上がったのが東洋陶器(現:TOTO)である。1917 年 5 月のこと。そして、ノリタケの方
は食器としての陶器(食べる方)に進むが、この会社は衛生陶器(食べた物を出す方)の
製造、販売を開始する。「きれいと快適・健康」「排便」を両立する TOTO らしい商品を「サ
スティナブルプロダクツ」と位置づけ、これらの商品をグローバルで普及させることによ
り、地球環境に配慮した豊かで快適な社会の実現に貢献するという経営理念の下で躍進し
ている。それにしても便器一筋 100 年以上とは恐れ入る。日本では今日、座れば便器が温
かく、終われば自動的に温かい水が出てきて、快適な排便ができるのが当たり前のように
なっている。しかし、過程においては様々な苦労がある。
和式便器→洋式便器への転換が何時始まったのか。1970 年の大阪万博といわれている。
そして、TOTO が出荷する和式便器と洋式便器が逆転したのが 1977 年。和式便器から洋式
便器に転換したことで一番変化したのがその冷たさだ。古代ローマ時代から石のトイレを
使ってきた西洋人にとって、便座が冷たいのは当たり前だが、和式便器から洋式便器に転
換した日本人にとって、その冷たさは耐えられない。そこで誕生したのが「便座カバー」
で、その延長線上に暖房便座(ウォームレット)となっていく。TOTO は納得できる製品
を自社で作るしかないという信念の下、何度も何度も試行錯誤をくり返し、データを集め、
安全性、快適性、使いやすさを求めた製品作りには脱帽ものだ。温かい水で排便後の処理
ができれば、日本人に多い痔にも効果があると考えて、温水処理を考える。温水は 38℃、
便座の温度は 36℃、乾燥用の温度は 50℃、ノズルから吐出するシャワーの角度は後方 43
度が最も効果的であるなどの標準数値の確立、この数値は 40 年以上にわたって現在のウ
ォシュレットへと受け継がれている。
日本人がこんなに便利なものはないと考えているのが、世界でも通用するはずだと考え
れば、世界への普及は間違いなしのはず。しかし、2024 年 3 月期の TOTO の決算では海外
売上比率 27%と意外に少ない。圧倒的な国内企業なのだ。国内では人口減少で新規住宅
着工件数は減少の一途。住宅はフローマーケットからストックマーケットへ。
維持管理中心のメンテナンス中心へ。フローマーケットは海外しかない。そこで注目す
るのが豊かな国への進出となる。アメリカ、ヨーロッパがこれからの主戦場となるのか。
TOTO から学ぶべきことは 1 つの製品を徹底して深掘りして進化、深化していくことの大
切さだ。同じ住宅設備でも和式から洋式の転換でもトイレと住宅では、大きな違いがあり
そうだ。