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株式会社プロス/社長の四季

決算診断コラム

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世間の学校
話題の企業「キーエンス」

 日本にはすごい会社があるものだ。まず、財務(2025/3 末)から見てみよう。総資本
3,289,853 百万円、純資産 3,162,851 百万円で、自己資本比率は、なんと 96.1%、有利子
負債 0 の完全無借金経営。売上高 1,059,145 百万円(過去最高)、売上総利益率(粗利益
率)なんと 80%以上、営業利益率 50%以上、株式時価総額 13.7 兆円、そして、何よりす
ごいのが社員の平均給料 2,000 万以上(34.8 歳)。どこにそんな会社があるのだ。その名
はキーエンスだ。

 どんな会社かというと FA(Factory Automation)におけるセンサーなどの検出、計測制
御機器の会社。工場における生産活動における不良品、不具合品、異物混入等を識別する
のに不可欠なセンサー類を提供する驚異的な BtoB の会社であるため、あまりその名前は
知られていないが、その内容のすごさは、驚かされる。日本経済全体がバブル経済の崩壊
後の「失われた 30 年」に苦しんでいる時、キーエンスは、成長し続けた。そのヒミツは
どこにあるのか。

 創業者の滝崎武之は、1964 年に大阪の尼崎工業高校を卒業して、いくつかの会社勤務
を経て、独立起業したのが 1970 年。兵庫県伊丹市にリード電機(キーエンスの前身)を
設立するも、3 度の失敗の後、板金の 2 重送りを未然に防ぐセンサーをトヨタ自動車に納
品したことが転機となる。現在の社名に変更(Key of Science に由来)したのが 1986 年。
この会社が手がける製品の用途は、あらゆる工場(電機、精密、自動車、工作機械、食品、
医薬品...)の自動化、合理化に寄与するセンサーを代理店を通さない直販体制で販売し
ている。しかも、その納期は即納。その対応は顧客の潜在的なニーズまで取り込む営業力
の強さにあるのではないか。

 会社の内側はベールに包まれているが、あまりの給料の良さからその仕事の厳しさを揶
揄して「30 代で家が建ち、40 代で墓が建つ」と表現されたこともある。しかし、これだ
けの高い利益率でもって、成長を 50 年以上にわたって続けられる以上、それなりの理由
があるはずだ。その精神は一言で言えば、付加価値創造経営であり、それを会社自身の中
に仕組み化するものといわれている。しかもそれは、自社の付加価値を高める以上に顧客
の付加価値を高め、顧客の役立ちへの貢献を目指すものであり、いかに顧客に役立つこと
を大切にしているからではないだろうか。

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取締役会長
浅沼邦夫