2026/02/09世間の学校
数字は語る「145 円」
閉鎖的な経済社会にあっては、まさに自給自足の経済となり、国内で算出する生産物を
いかに加工していくかが問題となり、経済拡大は、それほど望めないかもしれない。それ
に対して、開放経済になれば、海外から様々な原材料、商製品を輸入できるようになり、
国内生産で余ったものは、輸出することが可能となるので、自国内の生産や販売の制約が
少なくなり、経済規模はより大きくすることが可能となる。ここでの問題は、海外との取
引をどのような通貨で支払うのかと、その金額をどのようにして円換算して、いくらとす
るかが大切になる。
為替相場の問題がそれである。数量や単価だけでなく、為替の換算によって、企業収益
は、大幅に変わることもある。特に海外取引の多い企業にとっては、これが顕著となる。
石油や鉄鉱石、食料品の中でも小麦や大豆といった生産や生活に不可欠な原材料の大部分
が輸入によって行われている日本経済では、この点が顕著である。そのため、為替相場の
状況如何で企業の収益状況が悪化したり、良化したりすることはよく目にする。円安の場
合、海外から輸入するモノの価格は上昇し、いわゆる高コストの輸入価格となって経済活
動にインフレ要因として跳ね返ってくる、逆に、輸出企業(日本の優良企業は海外展開が
進んでいる輸出比率の高い企業が多い)の場合は、特に海外子会社(とりわけ、米国の子
会社)の場合、経済実態は変わらないのに、ドル資産やドル収益が円換算される際、大幅
up となって企業収益を押し上げる要因ともなっている。
2025 年の 4 月~9 月の中間決算をした主な企業の 2026 年 3 月期の平均レートは、145
円を見込んでいるようだ。多くの企業が今より円高を見込んでいるが足元(R7.11.21 現
在)の為替相場は 150 円台の半ばとなっており、より一層の円安が進行している。為替相
場は外国との金利差や日本の財政拡張や、購買力平価といった諸要素に左右されるが、究
極的には、国家や企業の経済力が問題となる。為替の影響は資源の多くを海外に頼る日本
にとって、輸入インフレのマイナス面が問題となる一方、海外展開している大企業の企業
収益をプラスに導く問題があるので、その両者を見ることは大切であり、その動向から目
が離せない。