会計事務所/税理士のための決算診断システム「社長の四季」

株式会社プロス/社長の四季

決算診断コラム

会計事務所経営・企業経営のお役立ちコラム

世間の学校
時流を読む 「今期(2026 年 3 月期)の企業収益の動向-企業収益は上向くのか-」

 トランプ関税、ウクライナ情勢、米中対立等といった世界経済への不安定要因が依然と
して燻ぶっている。国内でも食料品を始めとする物価高に悩む多くの国民とそれを何とか
しようとする高市内閣の積極財政、なんと、21兆円超の財政出動(補正予算)は、円安、
債券安、株安で、日本国債の信認低下、金利高といった国内経済の動向から日本経済大丈
夫かといった不安定要素ばかりが目立つ。

 しかし、日本経済を引っ張るのはあくまでも日本企業の動向だ。とりあえず今期(2026
年3月期)の企業業績の動向はどうなるのだろうか。上場企業の多くが3月決算であり、4
~9月の中間決算の発表が2025年の11月中に行われた。この中間決算の発表と同時に多く
の企業は、今期末(2026年3月期)の業績予想を開示している。この業績予想のポイント
は、前回の開示(2025年5月頃の2025年3月期決算時点での2026年3月期予想)より上回っ
ているか、下向いているか。しかも、その増益幅や減益幅が拡大しているのか否かがポイ
ントとなる。多くの企業は慎重な姿勢で今期の企業業績の見通しを年度当初に立てるが、
中間決算で半分過ぎた時点で当初の業績予想の見直しをする。その業績見直しが前回の発
表に対してどうなっているのか。企業業績の動向は、今後の日本経済の動向を知る重要な
ポイントになる。なんと言っても経済の中心は企業であり、企業の成長なくして、日本経
済の成長はあり得ないからである。

 その発表によると、内外の不安定要素はあるものの、6年連続の増益が射程圏に入った
ようだ。特に、トヨタ、ソニー、大成建設、JR東海といった、業績トップランナー、三菱
UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行といったメガバンク、SOMPOホールディング、オリッ
クスといった金融業界では、軒並み増益予想となっているようだ。実に上場企業の3割く
らいが利益の上方修正となっているようだ。企業収益をから見ると、着実に日本経済の回
復は進んでいるようだ。大企業の収益改善は多くの中小企業にも少しずつ波及して行くよ
うに思われる。物価高以上の人件費の上昇を実現できない企業は取り残される。生産性の
高い大企業は大丈夫なようだが、中小企業にとっての賃上げは厳しいようだ。賃上げ対応
できる中小企業をいかに作っていくか。中小企業の企業体質の改善がどこまで進むのか目
が離せない。

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取締役会長
浅沼邦夫