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株式会社プロス/社長の四季

決算診断コラム

会計事務所経営・企業経営のお役立ちコラム

世間の学校
話題の企業「黒川温泉旅館群(熊本県)」

 バブル期の 1990 年頃は、土地や株式の値上がりだけでなく、ゴルフ会員権も値上がり
し、温泉旅館も大繁盛した。しかし、バブルの崩壊と共に、長いデフレの時代に入り、温
泉旅館は、全滅状態に陥り、その後の回復も厳しくなっている。そんな中でも、小規模旅
館でありながら着実に進化しているものがある。

 九州の熊本県にひなびた温泉に 30 軒の旅館がある。今ではかなり有名になっているが、
かつては「鳴かず飛ばず」で存続の危機があった。黒川温泉は、江戸時代中期に於いて、
湯治場として知られており、明治の廃藩置県の世になっても「けがによく効く温泉」とし
て、半農客の営みがなされていた。「黒川温泉郷」として、本格的なビジネスが始まった
のは戦後の 1961 年(昭和 36 年)。わずか 6 軒の温泉旅館で協同組合を設立し、「露天風呂
を集めた温泉街」のコンセプトが始まり。その後のモータリゼーションが付近の温泉
(別府、阿蘇、杖立温泉)は、大型化で団体客を受け入れ大繁盛するも、黒川温泉のような
小規模旅館は、殆どが悲惨な状態に陥っていた。

 何とかしなければと立ち上がったのが、旅館の 2 代目、3 代目の若手グループ。コンセ
プトは「一軒で儲かろうとしても一軒も儲からない」の下で 1986 年(昭和 61 年)に旅館
組合の組織を再編成し、「看板班」、「環境班」、「企画広報班」に分かれて黒川温泉全体の
景観作りに励み、黒川全ての露天風呂を利用できる「入湯手形」を発案し、「露天風呂巡
りの黒川温泉」というブランド作りに成功。温泉全体が 1 つの旅館となり、景観作りが行
われたため、多くの賞を受賞し、その評価は高い。熊本地震(2016 年/平成 28 年)で多
大な損害を受けたり、新型コロナ禍の外出自粛と言ったアクシデントもあったが、現在で
は、順調に温泉客が回復しているという。困った時には、知恵を出して経営することを考
えれば、道は開ける例となっている。知恵を出すことの大切さは学ぶところが大きい。

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取締役会長
浅沼邦夫