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株式会社プロス/社長の四季

決算診断コラム

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世間の学校
人を読む「坂口志文(さかぐちしもん)と北川進(きたがわすすむ)」

 経済力の国家間比較では GDP(国内総生産)や 1 人当たり GDP で測定されることが多
いが、この面での日本は、まさにジリ貧。特に GDP では、かつては世界の経済大国として
君臨していたが、2010 年には、中国に抜かれたばかりか、その差は広がる一方。2025 年
には、ドイツにも抜かれ、今や経済大国の見る影もない程、衰退している。しかもこれか
らの人口減少を考えるとなおさら希望が持てない。しかし、科学技術の面ではどうか。
世界に貢献する科学技術の分野での評価はノーベル賞、得に物理学賞、化学賞、生理学・
医学賞といった自然科学の分野の受賞に当たるのではないか。

 2025 年度に日本人 2 人のノーベル賞受賞者が誕生した。坂口志文さんと北川進さんだ。
坂口さんは、関節リウマチや 1 型糖尿病といった自己免疫疾患の治療法や抗がん剤を効き
やすくする新薬などの道を開く画期的な免疫反応を抑える細胞の発見で、2025 年度のノー
ベル生理学・医学賞を受賞した。一方の北川さんは、地味な研究であるが、金属有機構造
体(MOF)という新素材の開発に対する評価である。この新しい素材の実用化が進む分野とし
て、空気中から水の分子を捕まえて抽出する技術や、混合物質から特定の物質を低エネル
ギーで抽出する技術、触媒としての利用が例示されている。まだまだ日本人にはすごい人
がいるものだ。その道のりは苦難の連続であり、決して順風満帆とはいえないようだ。

 坂口さんは、京都大学医学部を卒業した優等生であったことは間違いない。しかし、20
代後半に在籍していた愛知県がんセンター研究所では無給の研究生であり、週数回は宿直
のアルバイトを行い、残りの時間を研究にあてたという。その後 1983 年に医学の名門ジ
ョンズ・ホプキンス大学に研究員として赴任し、精力的に論文発表するも、当時の主流は
免疫学からは、異端視されていた。しかし、そんなことにもめげずに、ひたすら研究室漬
け、納得いくまでやり抜く姿勢が最終的にノーベル賞に結びついたという。北川さんも強
い好奇心があり、それをやり続けた並外れた探究心には範とすべき点は多い。とかくタイ
パ、コスパと言ったすぐ効果を期待する現代において、長い目で見て研究者を応援してい
く姿勢こそ、大切にしたいものである。誰にも注目されず、非主流でもあきらめずにやり
続ける力は日本人の誇りでもあるし、日本人に自信をもたらしてくれた。嬉しいニュース
だ。科学技術立国の日本の未来に明るさが見えているようだ。

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取締役会長
浅沼邦夫