会計事務所/税理士のための決算診断システム「社長の四季」

株式会社プロス/社長の四季

決算診断コラム

会計事務所経営・企業経営のお役立ちコラム

世間の学校
数字は語る「1 日 2 時間」

 人類の進歩は技術と共にある。新しい技術の誕生がどれだけ人類を幸福にしたことか。
人類は、その技術のおかげで幸福な日々を送ることが出来ると考えられてきた。しかし、
その技術も行きすぎるとどうなるか。

 人類はとんでもない技術を発明したものだ。それが「スマホ(スマートフォン)」だ。
手のひらサイズの 1 台の機械が人間を虜にしたのだ。東京都心の電車の中で座っている人
を見ると寝ているか、スマホを見ている人ばかり。町中でも歩いている人でさえ、10 人
に 2~3 人は、スマホを見ている。階段でもしかり。人と接触する危険があってもおかま
いなし。人類はとんでもないものを発明したものだ。まさに、人間は完全にスマホ依存症
に見える。仕事中でも、自動車を運転中でも、学校の授業中でも、いつでもどこでも誰で
もスマホを見ている人ばかり。この現象は日本、日本人だけではない。中国、韓国、シン
ガポール、アメリカ、ヨーロッパ・・・世界中で起きている。これで日本人、いや、人類
は大丈夫か。

 そして、とうとう日本でもその規制に動き始めた。2025 年 7 月 22 日。愛知県豊明市で
スマートフォンの利用を 1 日 2 時間以内とする条例が市議会で可決した。時間を明示した
「スマホ使用条例」は全国初。

 スマホの長時間利用は様々な弊害をもたらす。もちろんメリットもある。いつでも、ど
こでも誰とでもつながれるし、何でも検索できるという利点はある。しかし、睡眠時間の
減少による寝不足、集中力の低下。さらには、これが学力低下につながるとの指摘もある。
EU、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド等では、SNS の規制を行っているとい
う。このスマホ依存症をどうするかは、人類共通の課題かもしれない。1 日 4 時間以上ス
マホを利用している人が 40%くらいいるそうだ。自立心や自制心に求めるのが原則だが、
小さいときからスマホ漬けの子どもたちのことを考えると将来が危ぶまれる。「1 日 2 時
間」の条例は社会へ一石を投じたことだけは、確かなようだ。

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取締役会長
浅沼邦夫