2025/10/28世間の学校
人を読む「イチロー」
身長 1 メートル 80 センチ、体重 77 キロ。この体で米大リーグで戦えるのか。これがイチロー選手が米大リーグへ行くことが決まったとき、多くの人々(特にアメリカ人)の第一印象であった。当時の米大リーグはパワー野球全盛の時代で、子どものような小さい日本人に何が出来るのか。米大リーグでは全く通用しないのではと。確かに日本では数々の記録を残しているとは言え、それがそのまま野球の本場であるアメリカで通用するはずはないのではないか。投手ならいざ知らず(野茂投手が既に活躍していた)、打者とするとパワー全開のアメリカ野球で通用するはずはない、と。
ところがどうだ。1 年目の 2001 年にマリナーズで首位打者と盗塁王に輝き、アメリカ
ンリーグの最優秀選手(MVP)と新人王を同時受賞。2004 年には、メジャー新記録のシーズ
ン 262 安打で 2 度目の首位打者。デビューから 10 年連続で 200 安打以上を記録するし、外野手として、ゴールデングラブ賞を 10 年連続で受賞。大リーグ通算成績は 2653 試合で、打率 3 割 1 分 1 厘、117 本塁打、780 打点、509 盗塁は見事としか言いようがない。小さな巨人の誕生といえそうだ。
アメリカの野球殿堂入りは、メジャーで 10 年以上プレーをし、引退から 5 年が経過し
た元選手が対象。全米野球記者協会に 10 年以上在籍する記者の投票で 75%以上の得票が
条件とされている。今回(2025.1.21:日本時間 1.22)、イチローは 99.7%で米野球殿堂入
りを果たした。アジア人初となるのはもちろん、こんなに小さな選手でもやれば出来ると。イチロー選手が常々心掛けていること。それは、「準備と継続」。この 2 つは多くのビジネスマンにも共通しているのではないか。とにかく準備に怠りなく、何事も継続していきたいものだ。イチロー選手はスポーツマンではあるが、スポーツの世界から学べることはビジネスの世界でも取り入れたいものである。