2025/09/29世間の学校
言葉は語る「フレイル」
物事は何でも 2 択で考える人が多い。特にデジタルの時代に入り、yes か no か、on か
off か、あるかないか、好きか嫌いか・・・。この考え方は一刀両断で歯切れが良くわか
りやすい点からも多くの場面で活用されている。しかし、現実の世界を考えてみるとこの
ように 2 択で割り切れないものの方が多いかもしれない。フレイルもそのようなものだろ
う。
フレイルとは、健康的な状態と要介護状態の中間的な状態をいうとされている。フレイ
ルは医学用語の frailty(フレイルティ)の日本語訳で、病気ではないけれど、年令と共
に筋肉や運動能力や心身の活力が低下し介護が必要になりやすい状態・状況で、健康と要
介護の中間の虚弱状態をいうとされている。
Eye フレイルのように目が見えないわけではないが、小さい字が見えにくいとか、何と
なく霞んで見えるとか、オーラルフレイルのように口の中の状況があまり調子が良くない
が、食べられない訳でもないし、飲み込めない訳でもない場合、歩行速度の低下(歩く速
度が遅く、転びやすくなる)、握力低下(モノをしっかりつかめない、階段の手すりをし
っかりつかめない、瓶の蓋が開けにくい)、疲れやすくなったり、気力が続かないといっ
た病気とまでは言えないが、健康そのものともいえない状態を指す。
これは、年令と共に生じやすいが、あきらめてはいけないし、フレイル状況を出来るだ
け遅くすることも快適な生活には不可欠である。何といっても人生 100 年時代の今日、単
に長生きすれば良いのではなく、健康長寿を目指す必要があり、出来るだけフレイルの状
況、状態を後ろに持って行く必要がある。そのため、今この予防が注目されている。この
予防としては、①栄養 ②運動 ③社会参加 等が必要とされる。年令(加齢)は誰にで
も生じるものであるだけに、上記の①~③は意識的に取り組んでいくことが求められるよ
うだ。