2025/09/01世間の学校
話題の企業「地方銀行-人口減少と不採算でどうなる再編-」
経済活動の血液である金融、その中心を担うのが銀行。銀行のあり方については、多く
の企業経営者にとっても無関心ではいられない。都市銀行については、かつては(50 年
位前)は、10 行以上(富士、三井、三菱、第一、日本勧業、協和、大和、東海、神戸、
太陽、埼玉、北海道拓殖・・・)もあったが、バブル経済の崩壊以降、再編をくり返し、
今では、三菱 UFJ、三井住友、みずほの 3 社に集約されている。店舗の統廃合、縮小は更
に続き、都会の駅前で銀行店舗を見ることは殆どなくなり、結果として収益力のあるメガ
バンクの誕生となっている。
それでは、地方銀行はどうなるのか。収益力の厳しさは都市銀行と変わりないはず。人
口減少もその影響は都心より厳しいはず。金融庁の試算によると都道府県別の銀行の状況
は 3 つに区分されるという。①2 行で競争可能 ②1 行単独なら存続可能 ③1 行単独で
も不採算 の 3 区分がなされており、地方銀行再編の加速は待ったなし。地方銀行の再編
は都銀よりも遅く、そのスピード感もないが、2010 年には、徳島・香川(トモニ H)、池
田・泉州(池田泉州)、関東つくば・茨城(筑波)、2012 年には、さわやか・仙台(じも
と H)、十六・岐阜(十六)、2014 年には、東京都民・八千代(東京 TYFG)、2015 年には、
鹿児島・肥後(九州 FG)、2016 年には、横浜・東日本(コンコルディア FG)、常陽・足利
(めぶき FG)、西日本シティ・長崎(西日本 FHG))、トモニ HD に大正が合流。東京 TYFG
に新銀行東京が合流(東京きらぼし FG)。2018 年には三重・第三(三十三 FG)、近畿大阪・
関西アーバン・みなと(関西みらい FG)、第四・北越(第四北越 FG)、2019 年には、ふく
おか FG(福岡・熊本・新和)に十八が合流。2021 年には福井・福邦(福井)、2022 年に
は、愛知・中京(あいち FG)、青森・みちのく(プロクレア HD)、2023 年には、ふくおか
FG に福岡中央が合流、コンコルディア FG に神奈川が合流、八十二・長野(八十二長野)、
2025 年には、第四北越 FG に群馬が合流。千葉・千葉興銀・・・。
この流れは止まらないし、更に加速されると思われる。生き残りに待ったなし。そして、
いつの日にか各地域ごとの有力地銀の誕生となる。問題は地銀再編が地域の中小企業経営
にどう影響を与えるかだ。体力をつけ、収益力を回復した少数の地方銀行にとっては、不
採算融資はできず、企業の選別は更に厳しくなるものと予想されそうだ。これからの時代
は銀行に選ばれる企業作りが不可欠となる時代が来るものと思われる。早めの対応が求め
られる。