2024/12/26世間の学校
数字は語る「6%」
失われた 30 年、アベノミクス、キシダノミクスを経て、ようやく物価上昇の 2%目標
が達成され、賃金 up も現実的となってきた。あまりにも安い賃金の日本という時代が長
く続きすぎたようだ。しかし、新型コロナ禍やロシアによるウクライナへの軍事侵攻によ
り、経済状況は激変した。石油等の資源価格や小麦、大豆等の食料品価格等の高騰から物
価が上昇し始めて 2 年目。物価上昇以上の賃上げがないと実質賃金はマイナスとなり、生
活は苦しくなる。働く人々の生活改善の実現には何としても賃金 up は欠かせない。しか
も、その up 率も物価上昇率以上でなければ意味がない。
賃金 up の実現に欠かせないのが大企業の多くの社員が加入する労働組合と、経済団体
との交渉、いわゆる春季闘争(春闘)だ。それでは来年の春闘はどうなるか。今年の春闘
は満額回答どころか、満額以上の回答もあり、労働組合側もびっくり。多くは 5%以上の
賃上げとなったようだ。バブル経済崩壊以降、企業は 3 つの過剰(借金、人手、設備の過
剰)に取り組んで賃上げなど論外という姿勢であったが、ここに来て人手不足も手伝って
賃金 up を本腰で考えるようになった。UA ゼンセン(流通や繊維、サービス業などの約 2,200
組合が加盟し、約 190 万人の組合員を抱える国内最大の産業別組合)は、来年の春季労使
交渉の賃上げ目標を 6%にするという。人手不足もあり、賃金 up は避けられないが、大
手企業が先陣を切って賃上げ 6%が実現すると、その余波はやがて地方へ。中小企業へと
広がっていくと思われる。物価上昇、賃金 up、消費拡大、そして経済成長へと経済の好
循環が期待されそうだ。中小企業は、このような状況にどこまで対応できるのか。正に正
念場の時といえそうだ。