2024/12/26世間の学校
時流を読む「学びはマネから」~学びの原点回帰へ~
学びの原点は、どこにあるのだろうか。人と同じ事をやっていたのではダメ。差別化が
重要。違いを出すのが企業・・・これらは、徹底的にマネを排除しようとする点で共通す
る。しかし、よく考えてみると、いきなり他人と違うことをやれと言われても無理な話。
生まれてから両親の下での生活から親のやっていることを学び、それをマネして成長して
いくのが普通。そして幼稚園、小学校と通っても型どおりの授業、教科書、漢字や算数の
計算もくり返し、同じ事をやって学んでいく。
こう考えると学習の原点は常にマネにあることがわかる。マネの世界は基本的に答えの
ある世界であり、お手本のある世界だ。そして、この世界は高校くらいまで続く。そして、
大学生になって初めて疑うことを学び、批判的に考えられるようになる。しかし、ここで
もマネの重要性は変わらない。特に後発国が先進国に追いつき追い越せの時代は、先進国
というモデルをマネしていかに早くキャッチアップするかが勝負。特に、戦後の日本は、
アメリカを先達として、アメリカではどうなっているかをいち早く学び、日本へ導入した
企業が成功した企業に共通している。
しかし、日本が先進国の仲間入りをして、もはやマネの対象者がいなくなったのが、世
界の経済大国となったバブル期だ。ここから長い経済の低迷が20年、30年と続き、その間
にアメリカは企業の主役交代が進み、GAFAMといわれるグーグル、アマゾン、フェイスブ
ック、アップル、マイクロソフトやマグニフィセント・セブンといわれるアルファベット
(グーグル)、アップル、メタ(フェイスブック)、アマゾン、マイクロソフト、テスラ、
エヌビディア等の新しい企業を産み出しているのに、日本は依然として低迷している。も
うものまねの時代は終わり、新しい発想の時代と言われるようになったと言われている。
しかし果たして、それは本当だろうか。発明、発見という現世に存在しない全く新しい
モノの登場のように思われるが、必ずしもそうではない。既存の事業をベースに変形して
いる企業が殆どであり、今、活躍中の良い企業代表のユニクロ、ニトリ、ワークマンもそ
れほどの新しさはない。既存企業の変形であるに過ぎないが、この変形こそ学びとしての
マネをベースとしている。マネをマネのまま終わらせずにひとひねり。ひと味加えて変形
すると新しい企業の誕生となる。マネを忘れずにマネの先にあるものを見据えて変形して
いくことが、日本企業の今後の成長のカギとなるものといえるのではないだろうか。