2024/11/29世間の学校
話題の企業「崎陽軒」
会社の進むべき方向性については、難しい問題がある。ある地域で、ある商品で成功し
た場合、その成功を広く全国へ。全世界へと羽ばたかせて世界的な企業になる会社もある
一方、あくまでもその地に留まり、ローカルに徹してローカルなのにインターナショナル
になる会社もある。後者の例が今回取り上げる崎陽軒である。
横浜といえばシウマイ。シウマイといえば崎陽軒といわれる位、その知名度は全国区と
いって良い。しかし、経営はあくまでも横浜の地場産業だ。創業は 1908 年(2008 年に創
業 100 年)、初代経営者が、横浜駅(現在の桜木町駅)構内での小売りの営業許可を得て
創業。牛乳、サイダー、幕の内弁当と何でも売れる物は売っていたが横浜という鉄道立地
の難しさが経営を困らせた。
東京駅から大阪方面へ向かう人は東京駅ですでに弁当を用意してあり、大阪方面から東
京へ向かう人はもうすぐ東京駅に着くから横浜では駅弁は買わない。何を売れば良いのか。
ヒントは浜松ならうなぎ、静岡ならわさび漬け、小田原ならカマボコ、さぁ、横浜ならど
うする。横浜中を歩き回って見つけたのが中華街のシウマイ。そしてブレイクしたのが獅
子文六原作の「やっさもっさ」とその映画化。これで横浜といえばシウマイが定着。今や
シウマイ弁当は最も売れる弁当の 1 つとなっており、崎陽軒を全国企業に押し上げた。