2024/11/29世間の学校
言葉は語る「納得と共感」
2024 年 10 月 4 日、新しく指名された石破茂新内閣総理大臣は、所信表明演説で、
「納得と共感をいただきながら、安全安心で豊かな日本を再構築する」と語った。キーワ
ードは「納得と共感」。この意味について、広辞苑(第 7 版)によると、納得とは「承知
すること。理解し、なるほどと認めること」とあり、共感は「sympathy の訳語で他人の
体験する感情や心情的状態、あるいは、人の主張などを自分も全く同じように感じたり、
理解したりすること」とある。
石破流でいえば、「なるほど、そうだよね」というところか。石破氏の議員経歴を見る
と 5 度の総裁選へのチャレンジでやっと掴んだ総裁の座。常に非主流派主義は(少数派)
で冷や飯を食べていた時代が多く、苦労人かもしれないし、頑固な人、信念の人かもしれ
ない。
「納得と共感」はビジネスの世界でも必要とされ、双方向の会話が円滑に機能するため
には、人それぞれが相互に主張しあい、お互いに理解しあい、最後は双方が納得して合意
形成が求められる。この合意形成において、「仕方なく」「やむを得ず」ではなく、「納得
と共感」があることが一番大切。そのためには、何が必要か。事実の解明とそれを裏付け
る証拠の存在をベースとして、それに経験則や論理則によって初めて「共感」が得られる
ことになる。いい加減な証拠ではなく、きちんとした客観的な証拠に基づいたお互いに事
実を確認することが、何よりも求められることを忘れてはならない。思いつきや思い込み
の判断ではなく、証拠に基づく判断という、まさに大人の世界が不可欠といえそうだ。