2024/11/13世間の学校
言葉は語る「完全栄養食」
人間というものは、貪欲なもの。これ 1 つあれば何でもできるものに対する欲求は尽き
ない。あれも欲しい、これも欲しい、それらを同時に満たすもの、それも安価で、手軽で、
使い勝手の良いもの、持ち運びも簡単なもの。これこそ誰もが欲しがるものといえる。食
事の世界で、今このことが現実化しつつある。
食事は、毎日の生活に欠かせない。生きるため、健康のため、おいしく楽しい時間を過
ごすため・・・好きなモノだけ食べていると栄養バランスを欠き、生活習慣病にかかり、
不健康な生活になりかねない。そこで、そのバランスを回復するために栄養補助食品とし
て多くのサプリメントが登場している。しかし、今、サプリメントをめぐって、様々な問
題が生じている。小林製薬の紅麹問題は、その 1 つの問題点を露呈。医薬品なのか、食品
なのか、グレーゾーンにあり、法的規制があいまいだ。
しかし、今回取り上げる完全栄養食は、サプリメントとは違う。あくまでも食料品であ
り、これさえ食べれば大丈夫という究極の栄養補助食品として完全栄養食の登場だ。効率
的な栄養摂取をうたう「完全栄養食」が主食として登場してきた。味の素、ポーラ、オル
ビスホールディングス、ベースフード等が続々参入。厚生労働省が基準値を定める 33 の
栄養素(たんぱく質、脂質-飽和脂肪酸など 4 種類、炭水化物-食物繊維など 2 種類、ビ
タミン-ビタミンAなど 14 種類、ミネラル-ナトリウムなど 13 種類)を参考に開発して
いる。健康な食生活を営むためには、33 の栄養素が欠かせず、一度で全ての栄養素をカ
バーする究極の食品、それが完全栄養食だ。
完全栄養食はタイパ(タイムパフォーマンス)が良く、効率的な食事摂取を可能とする。
焼きそば、おにぎり、ラーメンは、美味しいけれど、こればっかりだと体に良くないので
はないかと不安になる。マクドナルドや吉野家ばかりのファストフードだけでは脂肪過多
や炭水化物過多で生活習慣病に罹るのではないかという心配がある。これに対して完全栄
養食の場合、栄養バランスを考える事なく、安価で手軽な食料品として美味しく食べられ
るものが登場したら、どんなに食生活が楽しくなることか!もうそこまで来ている。我々
の期待は大きい。