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株式会社プロス/社長の四季

決算診断コラム

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世間の学校
数字は語る「1 兆円突破、1,000 万人超」

 この数字、何のことかというと、総務省の発表による 2023 年度のふるさと納税に関す
る数字だ。それによると、ふるさと納税に関する寄付金の総額が 1 兆 1,175 億円と、ふる
さと納税を利用した人数の合計が約 1,000 万人超というものである。この数字をどうみる
かは、今後のふるさと納税のあり方にも関係してくる。

 ふるさと納税は、本来の制度としては、生まれ育った故郷(ふるさと)を何とかしても
り立てたいという思いや、学生時代にお世話になった自治体や旅行で好きになった自治体、
さらには、いつか住みたい自治体、さらには今年 1 月 1 日に発生した能登半島の地震のよ
うに被災地を救済したり応援するためのものでどの市町村にするかは、納税者が自由に選
択できる。さらに、ふるさと納税は、自分が納めた税金の使い道を自分で直接指定できる
数少ない制度としてスタートした。

 しかし、現実には、ブランド牛やワインといった返礼品目当てで「ふるなび」「さとふ
る」といった仲介サイトまで登場し、本来の趣旨から離れてきている。そして何よりその
問題は寄付金控除で税収の落ちた自治体(ワーストは①横浜市、②名古屋市、③大阪市、
④川崎市、⑤東京都世田谷区)では、日本全体の人口が減少するなか、比較的人口増を保
っており、それなりの行政需要があるにもかかわらず、税収減で、自治体経費を賄うこと
が出来ないという問題がある。本来の趣旨から外れた「ふるさと納税」については、この
ままではダメだという声は大きい。しかし、その方向性ははっきりしない。どうする「ふ
るさと納税」、どうなる「ふるさと納税」、これからの動向が注目される。いずれにしても、
このままではもたないのではないだろうか。

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取締役会長
浅沼邦夫