2024/08/28世間の学校
話題の企業「積水ハウス」
ハウスメーカーを代表する日本の超トップ企業。売上高は 3 兆円を超え、海外にも進出
し、営業利益も 2,600 億円以上で、過去最高。自己資本比率も 50%超えの超優良企業。
増収、増益、増配企業というすばらしさは、非の打ち所がない。
事業領域も戸建て、賃貸住宅、リフォーム、分譲マンション、都市再開発、オフィスビ
ル等とどんどん広がっており、業績的には言うことなし。こんな優良企業に一体何が起こ
ったのか。
2017 年 6 月に積水ハウスが地面師グループに土地の購入代金として 55 億 5 千万円をだ
まし取られた事件があった。少しでも良い土地が欲しいという思いは、不動産業界の常識。
のどから手が出るような土地、どのデベロッパーも狙っている土地、そんな土地が品川区
の五反田駅近くにあった。「海喜館」と呼ばれた老舗旅館の跡地、時価 100 億円はすると
いわれた土地であるが、積水ハウスの経営担当はこの土地ほしさに欺された。偽造文書に
よって欺された一件。
今回は、東京都国立市に建設中の分譲マンション(グランドメゾン国立富士見通り)。
地上 10 階建てで総戸数 18 戸。2023 年 1 月に着工し、契約済みの顧客もいるという。そ
んな完成直前のマンションを解体するという。一体積水ハウスに何があったのか。3 兆円
以上の売上高を超す大企業でもアリ、法令遵守は当然クリアしているはず。環境や景観に
とりわけ厳しい地域であるだけに法令遵守だけではすまないのかもしれない。コンプライ
アンス(法令遵守)の先にあるエシカル(倫理)的にも優れた対応が求められる時代にな
っているのかもしれない。今、就職の選択においても業績や初任給だけでなく、エシカル
就職が求められているのも同じ背景があるのかもしれない。