2024/08/28世間の学校
人を読む「伊東 四朗」
笑って笑ってズッコケて。気がついたら66年もやっていた。日本のコメディアン、俳
優、タレント、司会者として、半世紀以上の長きにわたって活躍する世にも稀な芸能人と
いえるかもしれない。グループを組んだ相方はほとんど死亡し、残された伊東は、1人邁
進して66年。1937 年(昭和 12 年)生まれの 87 歳の生涯現役をまさに地で行っている。
2024 年 5 月放送の NHK ドラマ「老害の人」でも大活躍。てんぷくトリオ(三波伸介、
戸塚睦夫、伊東四朗)、電線音頭(ベンジャミン伊東)、笑ゥせぇるすまんといったお笑
い系のみならず、NHK の朝の連ドラ「おしん」、「ひらり」、「私の青空」や NHK 大河
ドラマ「天と地と」、「春日局」、「北条時宗」、「新撰組」、「平清盛」でも活躍し、
「十津川警部シリーズ」では、渡瀬恒彦との共演でその存在感を現わす。
伊東曰く、「喜劇にはあらゆる役が登場する。二枚目から老け役、女形、それこそ動物
の役まで。喜劇をやっていけばどんな役が来ても驚くことがなくなりますよ。だから私は
喜劇ができればどんな役でも出来ると思っているんです」と。どんな役でもこなせる、こ
んな器用な芸能人はそんなにいないのではないか。その裏には、喜劇をベースとした役作
りがあると同時に人前では見せないその努力はすばらしいものがある。すごい人は見えな
い所ですごい努力をしていることを忘れてはならない。人生 100 年時代の生涯現役のスタ
イルの典型例を伊東四朗は教えてくれる。いつまでも努力し続けることのできる人のみが、
生涯現役でいられるのかもしれない。