2024/07/01世間の学校
言葉は語る「人間拡張」
最近の AI や IT の進歩はすさまじいばかりだ。その内容もスピードもますます加速化し
ている。それを支えるのが通信容量であり、通信速度だ。このテクノロジーの発達によっ
て人間の身体能力や知覚や記憶といった知的能力、更には精神的能力をどこまで拡張でき
るか。これが人間拡張の問題であり、機能拡張の問題である。これがテクノロジーを通し
てヒトと組織のあり方を根本的に変えてしまうかもしれないといわれている。
伝統的な人間拡張は、運動能力については、訓練、繰り返しといった体験型学習に負う
所が多く、知的能力についても、先生の講義、読書、人とのコミュニケーションといった
実体験をベースに擬似体験に負う所が多かった。精神面も悟りのため、修業が主なものだ
った。いわば、訓練と繰り返しといった体験型の学習といえる。
しかし、テクノロジーの発達は、このような体験型学習を無意味にするのか、それとも
基本は体験型学習にあるのか、改めて「学びとは何か」が問題となる。そして、究極的に
は、教育のあり方さえ、変わってしまうのかもしれない。人間が持っている身体的能力(フ
ィジカル・マネジメント)、知的能力(インテリジェンス・マネジメント)、精神的能力(メ
ンタル・マネジメント)といったさまざまな能力拡張に AI・IT がどうコミットしていく
のか難しい問題を抱える時代になったようだ。