2024/05/30世間の学校
言葉は語る「経営者保証」
上場企業と非上場企業の大きな違いの 1 つとして、企業が銀行から借り入れをする際、代表
者の個人保証を求めるか否かがある。上場のメリットは、そのほかにも資金調達が容易になる
とか、知名度 up で優秀な人材を採用しやすいといったメリットも大きいが、この経営者保証
も 1 つのメリットである。中小企業の決算は、信用されていないのかわからないが、決算書だ
けで銀行は貸し出しをしない。多くは、担保を取り、更に経営者の個人保証まで求める。場合
によっては、個人の自宅まで担保にとる。
これによって、経営者は会社が倒産すると、全財産を取られてしまう可能性がある。確かに
中小企業の決算には、監査が行われていないだけに信頼度が低いのはやむを得ない。しかし、
銀行は融資のプロのはず。良い企業か否かは、決算書を通して判断できるはずではないか。こ
うした保証慣行は、銀行の優越的地位から行われてきたが、これが、事業再生や新興企業の育
成を妨げる一因になっていることから、経営者の連帯保証人を外す動きが出てきた。そうなる
と決算を通した融資が中心となり、決算診断がますます重要になってくる時代到来といえそう
だ。