2024/05/07世間の学校
時流を読む 「どうした株式市場、どうなる株式市場・・・株価の行方」
株式市場が活況を呈している。昨年度来の株価が日経平均株価で 3 万 3,464 円 17 銭。1 月中に
は、あっという間に 3 万 6,000 円超え、2 月 9 日には、バブル経済崩壊後 34 年ぶりの 3 万 7,000
円超え。わずか 2 ヶ月で 10%以上の株価 up。そして、とうとう 2024 年 2 月 22 日、この日は忘れ
られない 1 日となりそうだ。日本の株価は戦後の高度成長期を駆けぬけて、バブルの絶頂期とい
われる 1989 年 12 月の大納会で日経平均株価が 3 万 8,915 円の最高値をつけたが、その後のバブ
ル経済の崩壊で株価は下落の一途を辿り、長い低迷期が続いた。そして、長いトンネルを抜け出
したように 2024 年 2 月 22 日に実に 34 年ぶりに日経平均の終値で 3 万 9,098 円となった。一体ど
うしたのだろうか。
株価は、企業の鏡。経済社会の主役である、企業が元気でなくては経済は良くならない。その
企業の先行きを判断する先行指標としての株価の行方は大切だ。この株価がものすごい勢いで up
している。それも出来高、売買代金を伴って買っている。中心となっているのが、外国人株主、
世界を見通しても、日本企業の業績は底堅いし、何より安い。
特に円安は、ドルベースで株価を見るといかにも安い。その安い日本に目をつけたのがウォー
レン・バフェット(世界的な投資家)。配当利回り 5~6%もあった総合商社(三菱商事、三井物
産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅・・・)は、倍以上も株価 up。半導体関連企業、銀行等の金融
も含めて多くの企業(特に大型株)が買われている。理由はいろいろあるが、①企業業績の改善
②企業の株主重視の姿勢が本格化(配当増、自社株買い) ③PBR1 倍割れ企業の対応 ④円安が
輸出企業を中心に収益 up へ ⑤地政学的リスクが脱中国から日本へ ⑥新 NISA による貯蓄から
投資への動き・・・ 様々な要因から、バブル期の高値日経平均 3 万 8957 円 44 銭を抜くのは時
間の問題かといわれていたが、あっという間の出来高。この分では、4 万 5,000 円超えも夢では
なさそうだ。何が起こるかわからないのが株式市場の世界。それにしても注意深く見守っていく
必要がありそうだ。はっきりしているのは、バブル期の株価は PRE が 70 位もあり、企業の実力以
上の株価であることは間違いないが、現在の株価は PER14 倍程度ではないだろうか。企業の実力
に見合った株価と言えるのであり、両者の単純な比較は意味をなさないという点は押さえておく
必要がある。