2024/03/28世間の学校
言葉は語る「役職定年」
役職定年制度とは、会社の定年が 55 歳だった 1,986 年、国の方針としての 60 歳定年への企業
に対する努力義務を定めた高齢者雇用安定法が施行されたことで広まったもの。年功序列型賃金
の体制の下では、年令と共に給料を up していかなければならない。賃金 up の方法として基本給
の up もあるが、それだと退職金への跳ね返りや、賞与への跳ね返りの恐れもあり、もっと柔軟
性ができないかとして各種手当が登場する。さらに、高齢者が長く管理職に留まると人件費が圧
迫される。そこで、定年と共に社外へ放出するのが通常。しかし、国の方針で、更なる定年延長
が求められた時、どうするか。総人件費を一定にするため、定年は延期するけれども、給料は
上げない方式として役職定年制が広がっていた(役職定年は、日本独特の制度、海外では定年の
ある国が少ないし、年齢を理由に雇用条件や労働条件を差別すること自体原則禁止が多い)。し
かし、この現実は、同じ仕事をしていながら、給料だけが下がるという点で、社員のモチベーシ
ョンを下げる。そこで、今、進んでいる方式が、「さらば役職定年」。役職定年が優秀な定年とな
った社員の仕事について正当に評価せず、一律に年収で 20%~30%減となると、同じ仕事を正
当に評価されなければ、意欲を欠かせ、転職が大量発生。人口減少、人手不足の時代、転職は当
たり前、優秀な人がより高い報酬を求めて外部へ転職。優秀でない社員ばかりが社内に留まると
なると会社はどうなる。優秀な人材を会社に引き留めておくには、どうするか。一律の役職定年
ではなく、仕事の正当な評価と処遇が必要となる。そこで、多くの企業で役職定年の見直しが進
んでいる。会社は人で成り立っており、いかに人を社内に留めて、人を生かすかが会社の役割。
しかも、人材競争は熾烈を極め、人材が勝負の時代となってきた。ジョブ型雇用の時代は、一律
の年齢ではなく、老いも若きも全員競争の時代といえようか!