2024/03/28世間の学校
人を読む 小田 凱人(おだ ときと)
すごい選手が現われたものだ。世界のテニス選手権の 1 つである全仏オープン車いす部門で、
2023 年、17 才の日本人選手、小田凱人が最年少で優勝した。そして、2024 年には、全豪オープ
ンも制した。この部門では、国枝慎吾選手が有名だが、それにしても最年少での優勝とはお
見事。この優勝の裏には複雑な事情がある。元来、車いすの選手は病気やケガといった何ら
かの不幸を背負っているはず。しかし、彼の場合は特別かもしれない。少年時代はサッカー
選手を目指していたが、9 才の時に左足に骨肉腫が発症。左足の股関節と大腿骨の一部を切
除して人工関節に。そして、車いす生活となり、サッカー選手への夢は破れる。しかし、そんな
不幸にくじけないのが彼の真骨頂。そして、2012 年のロンドンパラリンピックの車いすテニス
での国枝慎吾をテレビで見て感動。そして、そこからテニスへのスタートが始まり今日の優勝へ。
それにしても、車いすの人々はいろんなドラマがあるものだ。ただ共通している事は、どんな困
難にもめげず、どんな不運や不幸にもめげずに前に進んで行く姿は、健常者こそ見習うべきこと
かもしれない。