2024/02/28世間の学校
時流を読む「消費トレンドの変化(モノ・コト・トキへ)とメリハリ消費」
消費とは、お金を使って何かを得ることで満足度が測れる。大物、小物といったモノが重要な
時代があった。モノ不足の時代には、それが顕著。できるだけ多くのモノを手に入れるか、その
モノのグレードの高いモノを手に入れるかで満足度が測られた。まさに、大量生産、大量消費の
時代でした。企業はモノを作れ、作れの大合唱。消費者は一生懸命モノを買い求めました。しか
し、気がつくと、部屋中がモノであふれかえっていました。そして、次第にモノへの関心が薄れ
てきます。企業は、あの手、この手を使って、機能や品質に違いを出してきますが、消費者は、
それに対して、かつてのモノに対する驚きは感じなくなります。こうして、モノ消費の時代が終
わりを告げます。しかし、人々の欲望には、限りがありません。次の欲望のターゲットになるの
が、コト消費といわれるものです。モノ消費では、モノそれ自体に価値を有するもので目に見え
るモノに価値を置くモノですが、コト消費では、目に見えない具体的なモノ自体ではなく、手で
触って直接とることのできない、体験や経験を重視する考えです。
コト消費が定着してきたのが 2000 年代初頭です。それから先は体験や経験に対する価値に
対して、消費対価を支払うというだけでは説明できない潮流がでてきます。これを広告代理店大
手の博報堂生活総合研究所は「その時、その場でしか味わえない盛り上がりを楽しむ消費」とし
て、「トキ消費」という考えを提唱しています。何故、ディズニーランドへ行くのか。ディズニー
ランドとディズニーシーのチケット 1 万円もするのに、どうして多くの人々は行くのか。明らか
にそこに行って、その場所で感動を共有したい。そして、最高の思い出作りとなるからでしょう。
まさに「トキ消費」そのもの。感動を与えるものは、ディズニーだけではなく、大谷翔平や藤井
聡太もいます。感動や夢に人々は消費の楽しみを感じる時代になっているようだ。また、これと
は別に普段は節約、これという時は豪華に大きく使う。高くても良いものには、積極的にお金を
使うというメリハリ消費もある。消費のトレンドは、何をどう見るかでバラバラな面もあり、皆
が同じ方向に行く時代は終わったようだ。