2024/02/05世間の学校
話題の企業「福島屋」
東京都羽村市は、人口約 6 万の典型的な郊外型の都市。ここでも人口減少の波はある。田舎の
スーパーといっても良いが、このスーパー、単なるスーパーではない。食のセレクトマーケット
の地域密着型のスーパーである。まず羽村に行って福島屋を見ること。そして、次に六本木店、
虎ノ門店、秋葉原店に行ってみることだ。「おむすび」が飛ぶように売れていることがわかる。
小売業といえば、価格が優先。大量生産、大量消費で価格競争の勝者となるのは、大型スーパー
と思いきや、以外にも中小、地方のスーパーでも勝てることを示したのが、「福島屋」だ。価格
競争(安売り)はしない。チラシは配らない。安心、安全で良質な食材、食品を提供することで、
人気の高い店です。
元々は、両親が経営していたよろず屋を継ぎ、酒屋、コンビニエンスストアを経営していたが、
1980 年に業態転換し、現在のスーパーの業態へ。社長自ら産地へ赴き、生産者から米や野菜を
仕入れ、作り手とのコラボレーションで福島屋オリジナル商品を多く開発、価格競争はせず、折
り込みチラシも使わず、40 年以上にわたって、黒字経営を続けるユニークな経営手法が注目され
ている。
お店の原点は、ワクワク感、ドキドキ感であり、「あそこに行けば、きっと何かある」として、
利用者からの愛されぶりがすごい。「福島屋に行けばすべてのものが美味しくて、店内にいるだ
けで楽しい。ちょっと高いけれども、ついつい買ってしまう」と言われる地元に愛されている店
ではあるが、その魅力は遠方まで届き、超熱狂的なファンもいる。そして、その勢いが羽村発東
京行きへ。それも都心のど真ん中。六本木、虎ノ門、秋葉原へ。高くても美味しいおにぎりは、
結構売れる。この経営戦略には学ぶべき事が多い。他人と同じ事をやっていてはダメだ。