2023/12/28世間の学校
言葉は語る「コンパッション(compassion)」-思いやり-
経営とは、人が営むものである以上、経営をよくするためには、人と人との関係をうまくやっていく必要があ
る。デジタル時代になればなるほど、求められるのが人間関係。ところで、世の中、仕事でも、家庭でも人間関
係でも、なかなかうまくいかない事が多い。かつては人生に悩むと思索に励んだり、書を読んで哲学や文学を学
んだり、先人の知恵や宗教の力を借りて何とか乗り越えていったもの。しかし、今の時代、じっくり考えること
の出来ない超ストレス時代。うつ病や引きこもりが多いのもやむを得ないのかも知れない。そこで、近年、瞑想
の世界に入り、自分をありのままに見つめ直し、気づきや平穏を求めるマインドフルネス(思いやり、慈悲)が
ビジネスの世界で注目されてきた。最近では、これと並んでコンパッション(compassion)という言葉が関心
をもたれるようになった。マインドフルネスもコンパッションも思いやりや慈悲といった意味合いで使われる
が、マインドフルネスが自分との戦いの中で自分を見つめ直す点が中心であるのに、コンパッションは他人との
関係で思いやりを考えるセルフコンパッションが主張されるようになった。
そんなに自分を追い詰めないでもっと気楽に考えたらどうか、と言うと「甘やかす」とみられがちだが、人を
活かすためにはこのような心理学的、宗教的療法も不可欠なのかもしれない。世はまさに心の時代になってきて
いる。デジタル時代は、何でも yes か no の二者択一で味も素っ気も無い無味乾燥状態になりがち。
こんな時代こそ、心の問題に触れる必要があるのかもしれない。