2023/11/30世間の学校
数字は語る「100 年前」
1923 年 9 月 1 日 11 時 58 分 32 秒に関東大震災が起きた。今年はちょうど 100 年目にあたる。日本は地震
大国であり、その間にも幾多の地震があり、膨大な被害をもたらした。死者・行方不明者は推定で 10 万 5,000
人で明治以降の日本の地震被害としては、最大規模の被害となっている。未だにこの記録は破られていない
(ちなみに 1995 年 1 月 17 日午前 5 時 46 分 52 秒に発生した阪神・淡路大震災は死者 6,433 人、2011 年 3
月 11 日 14 時 46 分 18 秒に発生した東日本大震災は、死者と行方不明者で 2 万 2,215 人となっている)。時
代の差や、地震対策の進歩があったとはいえ、関東大震災の被害の大きさがわかるというもの。「天災は忘れ
た頃にやってくる」という戒め含め、毎年 9 月 1 日を防災の日として、政府、地方公共団体等、関係諸機関
をはじめ、広く国民が台風、津波、地震等の自然災害についての認識を深め、これに対処する心構えを準備
するための記念日が 9 月 1 日で、この日を中心に 8 月 30 日から 9 月 5 日までを防災週間として、防災訓練
などの国民活動が広く行われている。
日本の地域特性として火山が多く、海に囲まれて、人口が多いため、人口密集は不可避だ。そのため、最
近では「防災から減災へ」と言われるように起きることを避けたり、防いだりするのではなく、起きたとき
のダメージを最少限度にするにはどうするのかという「減災」概念が登場している。企業経営においても自
然災害の影響を大きいものがあり、国や地方レベルの対策だけでなく、企業や個人レベルでの対策も不可欠。
そして BCM(Business Continuity Management、事業継続マネジメント)という大規模災害、テロ、感染
症といった緊急事態において、ビジネス上の被害を最小限にするための包括的なマネジメント活動も忘れて
はならない。とかく経営は財務リスク中心にマネジメントされがちだが、財務以外のリスクにも十分対応し
ておく必要があることも大切である。