会計事務所/税理士のための決算診断システム「社長の四季」

株式会社プロス/社長の四季

決算診断コラム

会計事務所経営・企業経営のお役立ちコラム

世間の学校
話題の企業「フジテック」

 エレベーター・エスカレーター業界では、三菱電機、日立製作所、東芝、パナソニックが有名だが、最大手
の 2 番手企業として、フジテックも有名。上場企業でもあるが、今、株主総会が大モメしている。

 この会社は 1948 年 2 月、故内山正太郎名誉会長がエレベーターの開発、製造、販売、取付、保守を目的と
して、「富士輸送機工業株式会社」を創業。1974 年に東京、大阪の株式市場に上場すると同時にフジテックに
社名変更。コンピュータや遠隔システムを構築し、世界へと羽ばたく。そして、エレベーター方式の立体駐車
場「シティパーク EV」を開発。更にはグローバルスタンダートとなる新型エスカレーター「V シリーズ」を
開発し、現在では(2023.3)連結売上高 2,075 億円、営業利益 116 億円、海外売上比率 60%以上、自己資本比率
も 50%以上と優良企業となっている。

 何故、こんな良い会社に問題が生じるのか。問題は、創業家の内山氏。上場したということの意味をきちん
と理解していなかったのかもしれない。株式を上場するということは、誰でも、いつでも、いくらでも、自由
に株主となることができる。これは、会社が社会的存在となったことに他ならない。まさに、プライベートカ
ンパニーからパブリックカンパニーになったことを意味する。その意味で、会社はもはや個人の所有物ではな
い。

 内山氏は、現在 10%程度しか株式を保有していないので、もはやオーナーでも何でもない。しかし、「私の
会社」のイメージが抜けきらないのかもしれない。そして、長い間、社長をやっており、「公私混同の時代」
を引きずったまま、新しい投資ファンドから内山氏と会社との不透明な取引へ。問題と取締役解任騒動となっ
てしまった。

 会社と役員の関係は、委任であり、役員は会社のために「善良な管理者の注意義務」を果たす責任がある。
ましてや私物化して会社の利益を害して個人の利益を享受することなどあってはならないこと。たとえ 100%
の株式を所有している完全オーナー会社であっても、会社と個人とは別物であり、背任や横領の刑事罰もあり、
刑事責任が問われれば、取締役の欠格事由に該当することになる。オーナー社長の陥りやすい法令遵守(コン
プライアンス)には、上場会社以外でも注意が必要だ。

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取締役会長
浅沼邦夫