2023/11/16世間の学校
人を読む「杉村太蔵」元国会議員、事業家、タレント、薄口政治評論家
人の一生は、何が起こるかわからない。天国へ行くか、地獄に墜ちるか。その差は何なのか。この人ほど、
波乱の人生は少ないのではないか。
1979 年(昭和 54 年)北海道旭川市に生まれる。祖父、父と 2 代続けての歯科医の子として、当然 3 代目も
歯科医になるのが当たり前とされていた。小学校時代に父親に連れられて歯科医へ見学に行くと、「人の口を
朝から晩まで見ている」と不快感を起し、絶対に歯科医にならないと決める。反面教師とはこのことか。学生
時代はスポーツ特待で高校在学時に「なみはや国体」でテニスの少年男子ダブルスに優勝し、そのおかげで筑
波大学体育専門学群にスポーツ推薦で入学。在学中に弁護士を目指すも挫折。6 年目で中退となる。
中退後は就職活動がうまくいかず、派遣社員として総理大臣官邸隣の山王パークタワーでビル清掃員の仕事
をする。不遇の時代で、仕事を選ぶこともままならず、どんな仕事でも食べていくためにはやらざるを得ない
トイレ掃除に精を出す毎日が続く。彼の真骨頂の真面目さはトイレ清掃においても発揮される。そんなある日、
勤務中にドイツ証券の社員に見初められ、ドイツ証券の入社試験を受けて契約社員となる。ドイツ証券時代は
調査部に配属され、そこで、担当の仕事が郵政民営化の動向調査。
そして、2005 年(平成 17 年)の自民党の公式サイトを偶然見る(まさに運)。候補者募集サイトを見ると
論文審査があるという。論文テーマはズバリ「郵政民営化と構造改革について」。翌日に自民党から連絡が入
り、公募に合格。あとは政治家の道へ。郵政解散を受けて行われた 2005 年(平成 17 年)9 月 11 日の第 44
回衆議院議員選挙で自民党の福岡 1 区の出馬の推薦を取り付けた党本部が難色を示し、比例南関東ブロック
35 位での出馬。いくら何でも自民党が圧勝しない限り当選ダメと思っていたら、比例上位者が小選挙区で当選し、杉村は順位が繰り上がり当選へ。これにより、派遣社員から政治家へ。最初に調べたのが政治家の給料。
2520万円ももらえるなら、憧れの BMW を買おうと発言し、世間のひんしゅくを買う。
その後は国会議員としての軽率な発言が目立つが、2009 年(平成 21 年)の衆議院選は断念し 1 期で終わる。
その後はタレント、コメンテーター、薄口政治評論家そして、投資家として活躍。杉村太蔵のような人生から
何を学ぶか。一生懸命やっていれば、誰かは見てくれる。チャンスが来たら逃さないことを学ぶべき。