2023/08/17世間の学校
言葉は語る「物価の優等生」
失われた 30 年というデフレの時代にあっては「物価の優等生」が問題になることはない。むしろ、物価は下
がって当たり前の時代であり、あえて物価の優等生を問題にすることはない。かつての高度成長時代には、経済
成長と共にインフレも進むも、インフレ率以上に所得が増えたために国民生活は豊かになっていった。そんなイ
ンフレの時代においても一般物価は上がっても個別物価の中で殆ど上がらなかったものがあった。物価の優等生
といわれるものである。物価の優等生といえば、長い間「タマゴ」というのが相場であった。
タマゴは栄養価にも冨み、味もよく、いろんな食材とも加工しやすく、国民の食として貴重がられていた。し
かし、新型コロナ禍、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻等から世界的にインフレ化が進む時代に異変が生じ
ている。特にタマゴは、鳥インフルエンザによって大量の殺処分がなされ、今やタマゴの値段が高くなっている
ことに多くの人々が注目するようになり、物価の優等生の地位を失いつつある。それに代わって、新たに物価の
優等生として注目されているのが「キノコ」。キノコ類(シメジ、エノキ、シイタケ)は、工場で生産されるた
め、供給が安定しているため、価格が一定しており値上げが難しい。物価高の節約志向に合致するし、健康志向
や加工食品にも使いやすい。物価の優等生も時代と共に変化するものかも知れない。