2023/08/17世間の学校
時流を読む「値上げとは付加価値」
失われた 30 年という長いデフレの時代から、ここに来て値上げの時代へ、インフレの時代に突入している。
特に原材料の値上がりによる食料品価格の値上げが著しい。なかには、1 年で 2 倍以上のものもある。また、
人手不足で人件費の高騰からサービス業を中心に値上げラッシュが続いている。独占企業である電気、ガスと
いった公共料金の値上げも大きい。
インフレの原因には、デマンドプル型のインフレとコストプッシュ型のインフレがあると言われているが、
この日本の低金利下では、金利引き上げによる需要抑制は考えにくい。日銀は 2%の物価目標を堅持して金融
緩和(現状維持)を継続するという。この物価上昇を一時的なものとしてみるのかどうかが判断の分かれ目と
いえよう。当然これらの物価上昇は個人の生活を圧迫することになり、個人が生活防衛していくためには、
賃金 up への大合唱となる。政府は、労働界、経済界が、企業業績向上 → 賃金 up → 物価値上げの吸収 →
売上増大 → 企業業績の向上 という好循環に結びつけるには、値上げしても数量は減らないという大前提が
不可欠。そのためには、付加価値の増大を伴う値上げでないと意味がないことに留意する必要がある。値上げ
の時代こそブランド力、付加価値力が試される時代はない。この点は中小企業においても変わりないといえる。