会計事務所/税理士のための決算診断システム「社長の四季」

株式会社プロス/社長の四季

決算診断コラム

会計事務所経営・企業経営のお役立ちコラム

世間の学校
言葉は語る「外貨準備高」

 最近、外貨準備高の減少についての議論が多く見られる。パキスタンは、外貨準備高の枯渇によって経済は大
パニック。お金のない人に物は売れないのは当然であり、外国からの輸入が十分にできなくなり、結果として輸
入物価の高騰が大インフレへ。そして、国民の生活は苦しくなり、政府への不信は募るばかり。それでは、そも
そも外貨準備高とは何なのか。それが減少することが、どんな問題を起こすのかについて考えてみたい。昨年来
の急激な円安が国内物価の押し上げ要因ともなり、この円安是正のために、政府・日銀による為替介入(ドル売
り、円買い)により、外貨準備高が減っている。それでも、2022 年 9 月末現在、1 兆 2,380 億ドルもある。
世界の 2021 年末の外貨準備高は、中国が 3 兆 4,269 億ドルでトップ。日本は 2 位、3 位はスイス、4 位アメ
リカとなっている。

 我が国のように国土が狭く、資源に乏しい国が経済成長そして、豊かな生活を享受するためには、外国からの
資源の調達は不可欠。そのためには、その支払に充てる資金が必要。その資金の多くは国際通貨としてのドルが
中心となっている。こうして外国からの資源輸入を通しての経済成長をするのにも一定の外貨はなければならな
い。全く外貨のない国に対して、輸出しても代金回収が見込めないとなれば、安心して輸出できない。しかも、
経済成長をするにつれて、輸入量、輸入代金も増えていくので、手持ち資金との見合いが重要となり、一定の外
貨準備がなくてはならないし、経済成長と共に増加していく必要がある。企業も、お金のない会社には、商品を
売ってもらえないし、手持ち資金は企業規模に連動して大きくなるのと同じ。外貨が十分にあるということは、
当該国に安心して資源輸出できることを意味する。外貨準備高は、我が国の対外支払に充てるための外貨の準備
とはいっても、我が国にある全ての外貨の合計ではなく、あくまでも政府と日銀が持っている外貨に限られ、民
間が持っている外貨は含まれない。しかも、その内容としては、日本の銀行や外国銀行に預けている財務大臣名
義の外貨預金として預けられているものや、アメリカの財務省証券、金も含まれる。

 この外貨は、本来的には輸入代金の決済用としての準備として利用されるが、時として為替相場の調整として
の為替介入として使われることもある。乱高下の激しい為替相場を安定させるための調整として利用されること
もある。急激な円安局面では円買いドル売り、逆に急激な円高な局面では、円売りドル買いに利用されることも
ある。為替相場は、一定の範囲内での安定した変動が望まれる。そのための外貨準備高の活用はやむを得ないこ
とかもしれない。企業経営に直接関係しないように見えるが、為替の影響を受けない企業はない以上、外貨準備
高の理解はある程度必要と思われる。

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取締役会長
浅沼邦夫