2023/05/25世間の学校
話題の企業「大成建設」
建設業界の中で超大型工事を手がけることの出来る会社はスーパーゼネコンと呼ばれている。俗に大手 5 社と
いわれる。大成建設、清水建設、鹿島、大林組、竹中工務店で、売上高は 1 兆円以上、株式時価総額も殆どが 1
兆円以上の優良企業。特に大成建設は、業界トップの株式時価総額で都市開発には、定評のある企業。そんな代
表の大企業でとんでもない事が起きた。NTT 都市開発から発注された札幌の大規模複合ビルの施工で鉄骨が規定
より少なかったり、床や天井のコンクリートが薄い箇所が見つかったそうだ。しかも、施工の品質管理を担当す
る社員がわかっていたにも関わらず虚偽報告をしていたという。このビルはハイアットホテルや商業施設のオフ
ィスが入る予定という。
大成建設は、解体してやり直すというが、そうなると工期は延びざるを得ないし、期日の入居予定者への損害
も発生する。受注金額 200 億~300 億程度で、解体、建て替えと NTT 都市開発への賃料保証、テナントへの保
証を含めると受注金額以上の損害になる可能性もあるという。それよりも大きいのが、信用問題であり、施工へ
の信用問題になってくる。こんな大企業まで。内部統制もしっかりしているはずなのに、何故こんな不祥事が起
きるのだろうか。答えは 1 つ。「人間がやるから」「人間は誤りを犯すもの」「人間に絶対はない」という、
極めてシンプルな理由にたどりつく。となるとどんな会社でも、いつ起こってもおかしくない問題なのかもしれ
ない。全ての企業に対する警告でもある。人に絶対はない。人の間違いが企業にとんでもない損害を与える。こ
んな怖い時代にいることは、大企業だけでなく、広く中小企業でも問題になりそうだ。