2023/05/25世間の学校
時流を読む「大幅賃上げ時代へ」
「潮目が変わった」というのは、このことか。G7 最低の賃金。韓国や台湾よりも安い賃金。「安いニッ
ポン」の代名詞としての賃金が、ここに来て大幅 up へ。岸田首相の唱える好循環経済の始まりか。賃金の
大幅 up→所得拡大→消費拡大→GDP の up→企業収益の拡大→更なる賃金 up へ...
今年の春闘は、労働組合にとって久しぶりの楽勝な年となった。ベース up の要求が満額回答どころか、満
額以上の回答を出して妥結しているところさえあるという。政府、労働組合(連合)、使用者(経団連)が大幅
賃上げで合意して、流れはいっきに加速した。背景にはロシアのウクライナ侵攻や、気候変動等で食料品価格や
エネルギー価格の高騰、物価高騰に対して、賃金は変わらず。それはないでしょうということか。各国の中央銀
行は、このインフレ防止のために金利引き上げを実施するとともに物価対策としての大幅な賃上げ実施。日本も
その流れに乗っているようにも見えるが、金利はいじらず賃上げが加速している。大企業のこの勢いが、次期以
降も続くのか。さらには、中小企業にも波及するのか。全ては、生産性、経済成長に依存する。賃金 up しても
それを吸収できる収益力がなければ単なる一過性に過ぎない。逆にいえば、収益力という裏付けを持った賃上げ
が持続的に発展していくことこそが鍵になりそうだ。そして、背景にあるのが慢性的な人手不足。これをどう克
服するか。中小企業にとっては受難の年となりそうだ。