2023/04/27世間の学校
人を読む「瀬尾 拡史(せお ひろふみ)」医師・医療CGクリエーター
世の中には、すごい人が結構いるものだ。日本人として、誇りに思う人として、今回は瀬尾拡史氏を紹介した
い。彼は、1985 年生まれで、小学生の頃より数学大好き人間。早くから公文式で学んでおり、小学 4 年生で高
校 2 年の数学をやっていた。中学は筑波大附属駒場に進学。そこで、パソコンのプログラミングの部活に入った
のがきっかけで、その後の人生を変える。
東京大学医学部に学びながら、デジタルハリウッドへのダブルスクールで 3DCG(3 次元空間でのコンピュー
ターグラフィックスの略)の基礎を習得。大学 3 年の時、裁判員制度での 3DCG の利用を検察庁に提案し、
裁判員裁判第一号事件では、証拠画像としての 3DCG 画像を製作。その功績により、東京大学総長賞を受賞。
卒業後、医師となり、医療現場での CG 映像やソフトウェアの制作等、医療 CG クリエーターとして活躍して
いる。CG といえば、映画やゲームといったエンターテインメントの世界で使うものというのがそれまでの常
識。それを医療の現場で使用するのは画期的。医療の世界で一番大切なのは病気の発見。外形的に目で見えて発
見できるモノばかりとは限らない。内臓の奥深くにあるちょっとしたガンは、やがて命とりになるかもしれな
い。早期発見すればガンは治る時代になっている。
新しいものを発見するのも大切だが、それをどのような場面で使うのかの転用、応用力のないのが日本人。
ウォークマンの考えをスマホに結びつけられなかったように、日本人の弱点を瀬尾氏は、よくぞ克服してくれた
ものだと感心するばかり。これを違った場面、場所、状況で使ってやろうとする考えは中小企業でも応用できそ
うだ。1 つの発見、手がかり、事象をそれだけで終わらせるのではなく、他にも使えるか、常に考えておきたい
ものである。コンピューターと医療を結びつけた瀬尾さんは、やはりすごい人だ。