2023/03/29世間の学校
話題の企業「シスメックス」(旧・東亞医用電子)
世の中には、すごい会社がいっぱいあるものだ。町工場から出発して世界の大企業になった例としては、
ソニーやホンダが有名だが、その陰に隠れているが有力なすごい企業も結構あるもの。今日、取り上げる
シスメックスもその 1 つ。兵庫県神戸市に本社を置く医療機器メーカー。世界 190 国以上で事業を展開。
業績は、このコロナ禍においても絶好調。2022 年 3 月期の連結売上 3,637 億円(昨対 19%up)、営業利益
674 億(昨対 35%up)、営業利益率は 18.6%の高収益企業。最終利益も 440 億と過去最高。自己資本比率も
72%と盤石。どんな会社かというと、医療用の検査機器、試薬の製造販売。海外売上比率が 80%以上。人間の
体の不具合は頭のてっぺんから、足のつま先まで、たくさんの部位から成り立っているので、それに応じて不
具合箇所も増える。眼科、耳鼻咽喉科、内科、整形外科、心療内科・・・部位ごとに見るか、それとも部位横
断的に見るか、後者とすれば、何を見るか、血液か、尿か、排便か・・・
当社は血液中心に検査をすすめ、世界のトップ企業へ。その付加価値の高さが高収益の源。創業者中谷太郎
は、東亞特殊電機(現 TOA)で拡声器事業が好調なさなか、米国出張で医療とオートメーションに可能性を見
いだし、東亞医用電子(現シスメックス)を立ち上げたのが 1968 年。1978 年には、sysmex ブランドが確立
され、主に血液分析装置の開発を手がける。1998 年(創業 30 年)に、それまでのブランド名を使用してシス
メックスと社名変更。現在は尿検査装置、免疫検査用試薬等を手がける。特に、ヘマトロジー、血液凝固検査、
尿沈渣検査では、既にグローバルトップシェアを有している。遺伝子分野が次の成長源と見なされている。
病気は治す前に発見があり、早く正確に発見するのは日本人の得意技かもしれない。