2023/03/29世間の学校
数字は語る「138 円」
企業の経済活動が、一国内だけにとどまっていれば、その国の通貨で測定すれば良く、とりたてて換算の手続
きはいらない。しかし、企業の経済活動が世界中で行われるようになると、各国の通貨(ユーロ、ドル、カナダ
ドル、ポンド、スイスフラン・・・)を一定の基準で自国通貨に換算して連結決算は行われる。
換算の手続きについて、外貨建て取引等の換算基準では、①外貨建取引、②存外支店、③在外子会社にわけ
て、詳細な換算ルールを定めている。そこで、企業の売上や利益を分解してみると①数量×②単価×③為替換算
ということになる。最終的に金額で表示されるが、会社の基礎は数量と単価であるが、世界各国で活動している
企業の金額を日本円に換算するためには、各国の通貨の換算手続が必要となる。一生懸命努力して企業販売数量
を伸ばし、単価 up そして、目標の売上なり利益を達成したとしよう。国内的には、それで「あっぱれ」という
ことになる。
しかし、世界ではどうかとなると世界共通の金銭的評価をしなければならない。これが為替換算の手続であ
る。換算のパラドックスという言葉がある。海外子会社を有している場合、外貨ベースでは会社の利益が増えて
いるのに為替レートの変動により日本円に換算すると減少してしまう事象をいう。株式相場における日経平均株
価についても、円ベースで見るか、ドルに換算してドルベースで見るかによって異なった見解をもたらすことも
ある。企業収益が好転した。過去最高の利益と行っても為替換算の影響は多い。こうして為替の重要性は海外取
引、海外展開が進めば進むほど(日本の優良企業は殆ど海外で稼いでいる)為替の影響は大きい。
重要な企業の 2023 年 3 月期の下期の平均為替レートは 138 円という中小企業においても為替の影響は少なか
らずあるものと考えられる。大企業の想定レート 138 円は大いに参考にすべきものと思われる。